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EUROで躍動した19歳アルダ・ギュレルの未来はどうなる?「現時点でマドリーは最適な場所ではない」と伝説OBが指摘する理由【現地発コラム】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2024年07月09日

サッカー選手はピッチで作られるのであって、ジムで作られるわけではない

EUROではトルコ代表の8強入りに貢献したギュレル。(C)Getty Images

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 トルコ代表のアルダ・ギュレルは頭の回転が速く、発想が独特で、そのうえ状況判断に優れている。ボールが彼の足に渡ると、攻撃に流動性、バリエーション、危険性が生まれる。子供のような身体と芸術家のようなカリスマ性を持ち、ゴールとの関係は「目のあるところに弾丸あり」の格言通りだ。

 こうした背景から、ギュレルはEUROで最も注目を集める選手の1人となり、トルコ国民を熱狂させ、マドリディスタは本物の天才だと認め始めている。

 しかし同時に、ギュレルのケースはファンの感情と現代サッカーの潮流との間に横たわる深刻な隔たりを示している。善良なファンは彼のような異質な選手を愛する。

 しかし、サッカーをも支配しつつある科学的な思考は、ギュレルはフィジカルが不十分で(言い換えると脚がない)、従順というよりも創造的な頭の持ち主で(言い換えると才能がありすぎる)、年相応に精神的に未熟な(言い換えると安定感に欠ける)選手と見ている。
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 何百万人もの人々を魅了する選手が、トップレベルで求められる物差しで測るとこうも否定的な見方が多くなってしまうようでは、我々は現代サッカーを嫌いになってしまうのではないかという意見はあながち間違っていないのかもしれない。

 ギュレルはまだ若く、それゆえ今後、こうしたサッカーの新しい潮流に常に逆らって泳ぐことを余儀なくされることになる。だからこそ第一線で活躍し続けるには、キャリアの選択を極めて慎重に行わなければならない。

 サッカー選手はピッチで作られるのであって、ジムで作られるわけではない。トップレベルの要求に応えるために脚の筋力を強化することはもちろん重要だが、彼の特別な才能を支えるシャープさを奪うような筋肉を何キロもつけるトレーニングを課すのは間違いだ。いくら筋肉量を増やしたところで、ギュレルがフィジカルを武器にする選手になることはないのだから。

 その一方で、ギュレルのような選手には、創造性を発揮させるにはある程度の自由度を与える必要がある。だから、彼が継続的に出場機会を得ることができるレンタル先を探すとき、どのクラブでというよりもどの監督の下でという点に比重を置くべきだ。
 

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