【今日の誕生日】5月1日/EURO決勝で覚醒したシンデレラボーイ――ビアホフ(元ドイツ代表etc.)

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年05月01日

準々決勝、準決勝は出番なく、決勝も後半途中からの出場だった。

EURO96決勝、延長戦で素早い反転から左足で強烈なシュート。チェコのGKペトル・コウバの手を弾き飛ばしてゴールラインを越えた。これはビアホフの人生を変える一撃ともなった。 (C) Getty Images

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ミラン加入1年目の98-99シーズンは最終節でセリエA優勝決定。相手は中田英寿擁するペルージャだった。ライバルが勝手に脱落するかたちで得た“棚ぼた”の栄光と揶揄されたりもしたが、地道に勝点を積み重ねた末の勝利だった。そしてビアホフは、前線でジョージ・ウェアらとともにしっかりと仕事を果たした。 (C) Getty Images

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◇オリバー・ビアホフ:1968年5月1日生まれ ドイツ・カールスルーエ出身
 
 今夏、フランスで行なわれる欧州選手権(EURO)。多くの優勝候補のなかで、世界王者ドイツはその筆頭と目されている。いくつか問題も抱えているものの、多くの優れたタレントを揃え、組織力でも群を抜いている。
 
 彼らが狙うのは、1996年大会以来となる4度目の欧州制覇である。ワールドカップ→EUROと続けて優勝すれば、フランス(98年W杯→EURO2000)、スペイン(10年W杯→EURO2012)に続く3度目の快挙となる。
 
 選手はもちろん、代表スタッフも夏に向けて準備に余念がないが、現在は代表チーム・マネジャーを務めるオリバー・ビアホフもそのひとりである。
 
 20年前、彼はドイツ代表のストライカーとして出場し、伏兵チェコとの決勝戦で2ゴール。そのひとつはゴールデンゴール方式(どちらかに1点が入った時点で即試合終了)が採用された延長戦での一撃であり、まさに優勝を決めた殊勲者として歴史に名を刻んだ。
 
 そんな彼のキャリアは86年、ユルディンゲンでスタートした。デビューシーズンで3ゴールを決めた190センチ超の長身ストライカーは、2年後にハンブルクへ移籍し、ここで2シーズンを過ごした。
 
 89年夏にボルシアMGに加入したものの8試合の出場に止まり、翌シーズンには国外に飛び出し、オーストリア・ザルツブルク(現レッドブル・ザルツブルク)に加入。ここで33試合出場23得点という成績を残したことで、イタリア行きの道が拓けた。
 
 当時、世界最高峰のリーグだったセリエAで91-92シーズン、アスコリの一員としてプレーするも、残念ながらチームはB降格の憂き目に遭う。しかしビアホフはチームに残留し、翌シーズンには20得点でリーグ得点王に輝いた。
 
 94-95シーズンまでセリエBでプレーした後、彼はウディネーゼに新天地を求める。ここでの3シーズンは、キャリアにおいて極めて重要なものとなった。アルベルト・ザッケローニ監督の下で快進撃を続けたチームで、絶対的なCFとしてその地位を飛躍的に高めたのだ。
 
 ファーストシーズン中の96年2月には、初のドイツA代表入り(ポルトガル戦)。そしてEURO96にも出場したが、彼はレギュラーでなく、スタメン入りはグループリーグのロシア戦のみで、決勝トーナメントに入ってからは準々決勝、準決勝ともに出番はなかった。
 
 決勝戦もベンチスタートだったが、後半途中から投入され、起死回生の同点ゴールをFKからのヘッドで叩き込んだだけでなく、前述の通り、延長戦では強烈なシュートから栄光のゴールデンゴールを決め(メジャーイベントでは初だ)、シンデレラボーイとなった。
 
 一躍、世界の注目を浴びる存在となった彼は、その後も圧倒的な空中戦の強さと決定力の高さをクラブレベルでも存分に発揮し、97-98シーズンにはセリエAで27ゴールを挙げて得点王となり、ウディネーゼも3位と大躍進を遂げた。
 
 この活躍により、98年に当時不振に喘いでいたミランに迎え入れられ、1年目で20得点を記録していきなりスクデット奪還に貢献。ここでは、01年夏までの在籍期間で91試合出場37得点の記録を残した。
 
 以降、クラブではモナコ(01-02)、キエーボ(02-03)でプレー。代表ではEURO96以降、3ゴールを決めた98年フランスW杯の他、EURO2000、2002年日韓W杯でもメンバー入りを果たした。通算成績は70試合出場37得点。
 
 03年夏に現役を退いた後は、コメンテーターを経て、2004年から代表チーム・マネジャーとして、ユルゲン・クリンスマン、ヨアヒム・レーブといった歴代監督をサポートし続けている。
 
 ちなみにビアホフ以外に、過去のEURO決勝でゴールを決めた選手は、72年大会のゲルト・ミュラー(2得点)、ヘルベルト・ヴィンマー、そして80年大会のホルスト・ルベッシュ(2得点)の3人である。
 
 来るフランスでの本大会、果たしてドイツに4人目となる決勝戦でのスコアラーは生まれるか。その一撃は、4度目の欧州制覇を決めるものとなるだろうか。

80年大会といえば、天才MFベルント・シュスターが世界を魅せたが、ベルギーとの決勝戦でチームの全得点を叩き出したのはルベッシュだった。ビアホフ同様に空中戦に強く、決定力もあったFWは、82年W杯にも出場、準優勝に貢献した。引退後は、国内外のクラブの監督、そして各年代のドイツ代表の監督やコーチを歴任している。 (C) Getty Images

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初戴冠の72年大会、決勝でソ連を3-0で撃破した西ドイツ(当時)。そのうち2点を挙げたのがミュラーだった。ドイツ・サッカーにおいては、ゴールに関わる全ての記録にこの偉大な“爆撃機”が絡んでくるといっても過言ではない。 (C) Getty Images

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