フィジカルの強さ、守備能力、状況判断の良さ、抜群の統率力。

ベルギー代表のキャリアは04年にスタート。現時点で72試合出場4得点の記録を残している。最多キャップ(クーレマンスの96試合)更新も期待される。 (C) Getty Images

自国開催のEURO2000では、1勝2敗でグループリーグ敗退を喫した。頭を抱え込むのは、現代表監督のヴィルモッツ(左)と大分トリニータでもプレーしたロレンツォ・スターレンス。 (C) Getty Images
◇ヴァンサン・コンパニ:1986年4月10日生まれ ベルギー・ブリュッセル出身
今夏、フランスで開催EURO本大会において、大きな注目を集めるであろうチームのひとつに、ベルギーが挙げられる。地道な育成の成果が表われ、有能なタレントを各ポジションに擁する「ベネルクスの赤い悪魔」は今、最も魅力的な代表チームと言える。
FIFAランキングも、4月7日発表の最新のものではアルゼンチンに入れ替わられたものの、昨年11月に初めて首位に浮上し、これを維持してきた。
2年前のブラジル・ワールドカップでは、4位入賞を果たした1986年メキシコ大会来の準々決勝進出を果たすなど、かつての強豪復活を印象付けたベルギーだが、さらにチームを熟成させて臨むEUROでのプレーは非常に楽しみだ。
そんなチームをリードするのが、キャプテンを務めるCBヴァンサン・コンパニである。フィジカル面の強さを活かした守備能力と、状況判断の良さ、そして抜群の統率力を有する彼を、世界一のDFと評価する者も少なくない。
2003年にアンデルレヒトでプロデビューを果たし、ファーストシーズンでリーグ優勝に貢献。翌年に早くもリーグの最優秀選手に輝き、05-06シーズンにもベルギー王者の一員となった彼は、すでにこの時点で欧州中から注目を集める存在だった。
06年夏にドイツのハンブルクに加入。しかしここでは、アキレス腱を痛めて1年目は6試合の出場に止まり、2年目も今ひとつの出来に終わった。
08年8月、ブンデスリーガで1試合に出場した後にマンチェスター・シティへ移籍すると、その能力をいかんなく発揮し、以降は不動のレギュラーとして最終ラインに君臨することとなった。
このクラブでの7シーズンで、リーグ2回、FAカップ1回、リーグカップ2回の優勝に貢献。今シーズンはチャンピオンズ・リーグで初めて準々決勝進出を果たしており、初の欧州制覇が成るかにも注目が集まっている。
シティでは代えの利かない存在として、無理を強いられ、怪我に苦しんだシーズンもあったが、ますますCBとして安定感を増し、攻守での貢献度を高めているコンパニ。今シーズン、クラブで結果を出した後、フランスでの大舞台でさらに輝き、その価値を上げることができるか。
EUROでのベルギーといえば、80年イタリア大会が真っ先に思い出される。20年アントワープ・オリンピックでの金メダル以外、国際舞台では目立った実績のなかったベルギーが、西ドイツとの決勝戦(1-2で敗北)へ進出。その存在を世界に知らしめた記念の大会だ。
ここから、この国の快進撃が始まる。82年スペインW杯では開幕戦で前回王者アルゼンチンを下す大番狂わせを演じて2次リーグに進出、4年後のメキシコ大会では4位入賞。90年イタリア大会、94年アメリカ大会ではベスト16止まりも、そのプレーは高い評価を受けた。
ジャン・マリー・プファフ、ミシェル・プロドーム、エリック・ゲレツ、ジョルジュ・グルン、フランキー・ヴァン・デル・エルスト、ヴィンチェンツォ・シーフォ、ルド・コエック、フランキー・ベルコーテレン、ヤン・クーレマンス、エルウィン・ヴァンデンベルク、ルク・ニリス……etc.
この繁栄の時代には、魅力あるスター選手がGKからFWまで、どのポジションにも次々に出現し、彼らが見事に融合して強力な集団を形成していった。
しかし、98年フランス大会ではグループリーグ敗退。02年日韓大会は現代表監督のマルク・ヴィルモッツらの活躍によってベスト16入りを果たすも、そこから14年ブラジル大会まではメジャーイベントの本大会にすら駒を進められなかった。
長い沈黙の時を経て、再び黄金時代への扉を開けようとしているベルギー。そのためにも、今夏のEUROは重要となる。またこの大会は、オランダとの共催となった00年、ホストカントリーにもかかわらずグループリーグ敗退を喫した屈辱を晴らすための舞台でもある。
あらゆる意味合いを持つ、大勝負を目前に控えるベルギー。当然ながら、チームを統率する30歳のコンパニにかかる責任と期待も、非常に大きい。
今夏、フランスで開催EURO本大会において、大きな注目を集めるであろうチームのひとつに、ベルギーが挙げられる。地道な育成の成果が表われ、有能なタレントを各ポジションに擁する「ベネルクスの赤い悪魔」は今、最も魅力的な代表チームと言える。
FIFAランキングも、4月7日発表の最新のものではアルゼンチンに入れ替わられたものの、昨年11月に初めて首位に浮上し、これを維持してきた。
2年前のブラジル・ワールドカップでは、4位入賞を果たした1986年メキシコ大会来の準々決勝進出を果たすなど、かつての強豪復活を印象付けたベルギーだが、さらにチームを熟成させて臨むEUROでのプレーは非常に楽しみだ。
そんなチームをリードするのが、キャプテンを務めるCBヴァンサン・コンパニである。フィジカル面の強さを活かした守備能力と、状況判断の良さ、そして抜群の統率力を有する彼を、世界一のDFと評価する者も少なくない。
2003年にアンデルレヒトでプロデビューを果たし、ファーストシーズンでリーグ優勝に貢献。翌年に早くもリーグの最優秀選手に輝き、05-06シーズンにもベルギー王者の一員となった彼は、すでにこの時点で欧州中から注目を集める存在だった。
06年夏にドイツのハンブルクに加入。しかしここでは、アキレス腱を痛めて1年目は6試合の出場に止まり、2年目も今ひとつの出来に終わった。
08年8月、ブンデスリーガで1試合に出場した後にマンチェスター・シティへ移籍すると、その能力をいかんなく発揮し、以降は不動のレギュラーとして最終ラインに君臨することとなった。
このクラブでの7シーズンで、リーグ2回、FAカップ1回、リーグカップ2回の優勝に貢献。今シーズンはチャンピオンズ・リーグで初めて準々決勝進出を果たしており、初の欧州制覇が成るかにも注目が集まっている。
シティでは代えの利かない存在として、無理を強いられ、怪我に苦しんだシーズンもあったが、ますますCBとして安定感を増し、攻守での貢献度を高めているコンパニ。今シーズン、クラブで結果を出した後、フランスでの大舞台でさらに輝き、その価値を上げることができるか。
EUROでのベルギーといえば、80年イタリア大会が真っ先に思い出される。20年アントワープ・オリンピックでの金メダル以外、国際舞台では目立った実績のなかったベルギーが、西ドイツとの決勝戦(1-2で敗北)へ進出。その存在を世界に知らしめた記念の大会だ。
ここから、この国の快進撃が始まる。82年スペインW杯では開幕戦で前回王者アルゼンチンを下す大番狂わせを演じて2次リーグに進出、4年後のメキシコ大会では4位入賞。90年イタリア大会、94年アメリカ大会ではベスト16止まりも、そのプレーは高い評価を受けた。
ジャン・マリー・プファフ、ミシェル・プロドーム、エリック・ゲレツ、ジョルジュ・グルン、フランキー・ヴァン・デル・エルスト、ヴィンチェンツォ・シーフォ、ルド・コエック、フランキー・ベルコーテレン、ヤン・クーレマンス、エルウィン・ヴァンデンベルク、ルク・ニリス……etc.
この繁栄の時代には、魅力あるスター選手がGKからFWまで、どのポジションにも次々に出現し、彼らが見事に融合して強力な集団を形成していった。
しかし、98年フランス大会ではグループリーグ敗退。02年日韓大会は現代表監督のマルク・ヴィルモッツらの活躍によってベスト16入りを果たすも、そこから14年ブラジル大会まではメジャーイベントの本大会にすら駒を進められなかった。
長い沈黙の時を経て、再び黄金時代への扉を開けようとしているベルギー。そのためにも、今夏のEUROは重要となる。またこの大会は、オランダとの共催となった00年、ホストカントリーにもかかわらずグループリーグ敗退を喫した屈辱を晴らすための舞台でもある。
あらゆる意味合いを持つ、大勝負を目前に控えるベルギー。当然ながら、チームを統率する30歳のコンパニにかかる責任と期待も、非常に大きい。