シティの頑張りには期待したいところだが…。

クラブ史上初のCLベスト8に勝ち進んだシティだが、次のラウンドで対戦するのは絶好調のパリSG。マンチェスター・ダービーも落とすなど低調なシティは、いかにして金満クラブ対決に挑むのだろうか。 (C) Getty Images
私はこの3週間、チャンピオンズ・リーグ(CL)のベスト8に残った4チームの試合を現地で観戦しようと動いた。そして、バルセロナ、レアル・マドリー、パリSG、マンチェスター・シティの試合を見ることになんとか成功した。
マドリーとマンチェスター・シティの試合に驚きはなかった。そして、その試合内容には彼らのシーズンの終わりが想像できた。
マドリーがローマとホームで戦い、2-0で勝ち抜けを決めた2ndレグは、ローマにたびたび攻め込まれ、逆転を許す可能性もあった。次のラウンドに勝ち進んだとはいえ、マドリーの低調ぶりには少しばかり心配になった。
またプレミアリーグでは、シティが4-0でアストン・ビラを打ち負かす試合を見たのだが、ビラはリーグでダントツの最下位(3月22日現在で19位のニューカッスルに9ポイント差)を走るチーム。それにもかかわらず、シティはハーフタイムまで0-0という体たらくだったのだ。
現在、CL出場権を巡って、ウェストハムとマンチェスター・ユナイテッドと争っている4位のシティは来シーズンからグアルディオラの就任により、今シーズン限りでのペレグリーニの退任が決まっている。
発表直後は、威厳ある態度で振る舞っていたが、グルディオラ新政権のためにチャンピオンズ・リーグ出場を置き土産としたいチリ人指揮官は、過度なプレッシャーを感じているようだ。私もグアルディオラの率いるチームをヨーロッパ・リーグでは見たくない。だから、彼らの奮闘に期待したいところだが……。
パリSGの試合はとても印象的ではあったが、対戦相手のチェルシーがプレミア王者に輝いた昨シーズンのような強者ではなく、この先に勝ち上がるようなチームだったとは思えなかった点が少し残念な点であった。
そのチェルシーに2連勝(2戦合計4-2)したパリSGは、国内リーグで圧倒的な強さを誇って、すでに優勝を決めているとはいえ、より厳しさを増すCLのベスト8以降は苦戦を強いられるだろう。
今回観戦した4チームのなかで最も私の興味をそそったのはバルセロナだった。もはや特別、驚くような話ではないが、彼らは毎回相手を打ちのめすパフォーマンスで最高のエンターテイメントをピッチで表現している。
私は普段、プレミアリーグで優れたチーム、または試合を見ることはできる。だが、彼らはしばしば、芸術性に欠けるプレーをする。しかし、バルサは例外だ。彼らは常に芸術的で、魅力的な試合を展開する。
バルサがチャンピオンズ・リーグで決勝を前に敗退する姿は想像しづらい。いくつもの攻撃パターンを有する彼らを、叩くチームの登場は今のところないと私は思っている。
したがって、おそらくバルサを叩けるのは決勝が唯一の舞台だろうが、強いてバルサの天敵を挙げるとするならば、次にベスト8で激突するシメオネが率いているアトレティコだけだろう。
文:スティーブ・マッケンジー
マドリーとマンチェスター・シティの試合に驚きはなかった。そして、その試合内容には彼らのシーズンの終わりが想像できた。
マドリーがローマとホームで戦い、2-0で勝ち抜けを決めた2ndレグは、ローマにたびたび攻め込まれ、逆転を許す可能性もあった。次のラウンドに勝ち進んだとはいえ、マドリーの低調ぶりには少しばかり心配になった。
またプレミアリーグでは、シティが4-0でアストン・ビラを打ち負かす試合を見たのだが、ビラはリーグでダントツの最下位(3月22日現在で19位のニューカッスルに9ポイント差)を走るチーム。それにもかかわらず、シティはハーフタイムまで0-0という体たらくだったのだ。
現在、CL出場権を巡って、ウェストハムとマンチェスター・ユナイテッドと争っている4位のシティは来シーズンからグアルディオラの就任により、今シーズン限りでのペレグリーニの退任が決まっている。
発表直後は、威厳ある態度で振る舞っていたが、グルディオラ新政権のためにチャンピオンズ・リーグ出場を置き土産としたいチリ人指揮官は、過度なプレッシャーを感じているようだ。私もグアルディオラの率いるチームをヨーロッパ・リーグでは見たくない。だから、彼らの奮闘に期待したいところだが……。
パリSGの試合はとても印象的ではあったが、対戦相手のチェルシーがプレミア王者に輝いた昨シーズンのような強者ではなく、この先に勝ち上がるようなチームだったとは思えなかった点が少し残念な点であった。
そのチェルシーに2連勝(2戦合計4-2)したパリSGは、国内リーグで圧倒的な強さを誇って、すでに優勝を決めているとはいえ、より厳しさを増すCLのベスト8以降は苦戦を強いられるだろう。
今回観戦した4チームのなかで最も私の興味をそそったのはバルセロナだった。もはや特別、驚くような話ではないが、彼らは毎回相手を打ちのめすパフォーマンスで最高のエンターテイメントをピッチで表現している。
私は普段、プレミアリーグで優れたチーム、または試合を見ることはできる。だが、彼らはしばしば、芸術性に欠けるプレーをする。しかし、バルサは例外だ。彼らは常に芸術的で、魅力的な試合を展開する。
バルサがチャンピオンズ・リーグで決勝を前に敗退する姿は想像しづらい。いくつもの攻撃パターンを有する彼らを、叩くチームの登場は今のところないと私は思っている。
したがって、おそらくバルサを叩けるのは決勝が唯一の舞台だろうが、強いてバルサの天敵を挙げるとするならば、次にベスト8で激突するシメオネが率いているアトレティコだけだろう。
文:スティーブ・マッケンジー

スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。