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味方への要求、川崎らしさの提示。新キャプテン・脇坂泰斗が目指すJリーグで突き抜けた存在への挑戦【スペシャルインタビュー後編】

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2024年02月19日

自らに課す2024年のテーマ

様々な想いを語ってくれた脇坂。さらなる成長には大いに期待だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 14番を背負い、今季は新キャプテンに就任。まさに川崎の顔となった脇坂泰斗が新シーズンに懸ける想いとは。去就が注目されたオフを含め、2024年への決意を語ってもらったインタビューの後編をお届けする。

――◆――◆―― 

 川崎で戦う。

 そう決意したからこそ、2024年への想いは並々ならぬものがある。

「個人の力でチームを引き上げるのは、ひとつテーマとして挙げています。それは監督から言われたことでもあります。基準を高めていく存在ではないですが、自分がもっと突き抜けることで、味方の基準が上がっていく。それを求めていってほしいと監督にも話してもらえて、そこはチャレンジしていきたいです」

 求めるのは自らがアイコンとなり、チーム力を高めること。そして例年以上に“勝たせられる存在”になることだ。多くの選手が入れ替わったなか、鬼木達監督も今季のテーマをこう語っていた。

「(川崎は)技術で差をつけて勝ってきたはずなので、そこはもう一度、取り組まなくてはいけないですし、新しい選手にも分かってもらわないといけないです。逆にやってきた選手もなんとなくこれくらいでとなってしまわないように」

“止めて・蹴る”を高次元でこなせる脇坂だからこそ、チームメイトの見本となり、川崎らしさを伝えることができるのだろう。その意味でも、満を持して新キャプテンに就任したことも納得できる。

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 脇坂は始動日にこうも語っていた。

「今年はどんどん味方に要求していければと考えています。やっぱりチーム全員で良くなっていきたいですし、厳しいところも言っていければなと思います」

 その言葉の裏には自らにプレッシャーをかける側面もあった。

「周囲に要求することで、自分ももっとやらなくちゃいけない。そこはチームのためであり、自分のためでもある」

 それはリーダーとして川崎を引っ張っていく決意表明でもある。様々な世代の選手を、まとめるには苦労もあるだろう。ただ脇坂には自分流のコミュニケーション術もあるという。

「何かを伝える時、僕は人のキャラクターを見て、人に合わせたほうが良いと思います。それぞれ自分との関係性は異なりますし、何が正解か分からないですが、思ったことを伝えるだけでなく、先輩ヅラをするのではなく、普段のまま接するほうが、自分からの言葉は自然と相手に入っていくんじゃないかなと。良いところは褒め、改善点があれば伝える。

 特にメンタルの部分は、客観的に言われるからこそ気付く部分も多い。自己評価と他人からの評価のギャップを理解できれば、若い選手たちの今後につながるんじゃないかなと思うので、そこも話していきたいですね」

 ちなみに多くの選手が入れ替わった今季だが、チームの雰囲気は良いと話す。ムードメーカーであった登里享平は抜けたが、ひとり心強い存在もいるというのだ。

「セガちゃん(瀬川祐輔)はノボリくんとはタイプは違うんですが、自分ではしゃぎながら周りを盛り上げてくれる。それを意図的にやっているのか、素でやっているのかは分からないですが(笑)。元々明るい性格で、先頭に立ってやってくれている印象がありますね」

 さらに副キャプテンに就任した大卒2年目のFW山田新や、登里から伝統の2番を継承したDF高井幸大らにも期待を寄せる。

「新は上からも下からもいじられて、愛されている。彼のような新しい選手が出てくるのも、チームが変わっていくなかで良いことだと思います。

 高井は高2からプロとしてやってきて、年齢的には高卒2年目ですが、そこに甘えて欲しくないと言いますか、もっともっとやれるはずです。彼もクラブの幹となる存在だと思うので頑張ってもらいたいですね」

 その優しい眼差しには、すでにキャプテンとしての温かさが含まれているように感じる。

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