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ポゼッション志向? 「そうじゃない。相手にとって怖いことをやり続けたい」。横浜FCを率いる四方田修平が確信する勝ち方

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2024年01月28日

コーチ俊輔に伝えたこと

横浜FCで就任3年目を迎える四方田監督。J2を戦う今季、「1年でのJ1復帰を最大の目標」に掲げる。写真:永島裕基

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 横浜FCで3シーズン目を迎える四方田修平監督にとって、スタッフをどのように束ね、最高の指導体制を構築するかというのは、非常に大きなテーマだろう。

 とりわけ、2022年に現役を引退し、23年から指導者キャリアをスタートさせた中村俊輔コーチをどう育てていくかは重大な責務。自身も岡田武史、ミハイロ・ペトロヴィッチ(札幌監督)といった偉大な指導者から薫陶を受けてきただけに、日本サッカー界屈指の名選手だった男の力を最大限に引き出したいという思いは強いはずだ。

「俊輔は日本サッカー界のレジェンドですから、指導者1年目に関わる監督という意味では責任重大なのかなと感じたし、プレッシャーもないとは言えませんでした。

 でも僕自身の経験から言っても、やっぱり自分ができることをやるしかないし、実際にトライして失敗することも含めて、見て感じてもらうことが大事だと思うんです。

『選手・スタッフに真摯に向き合って、全力でやるしかないよ』と本人には伝えましたけど、俊輔は自分で考える力に長けているし、それだけの人間性を備えている。こっちからいろいろ言わなくても考えて動いてくれますし、人一倍、下働きもしてくれる。物を持ったり、ラインズマンをやったりと本当に献身的な姿勢を示してくれています」と、四方田監督は中村コーチの一挙手一投足を前向きに受け止めているという。

 チームが負ければ、「ロッカールームやストレッチルームで選手に黙って寄り添ったりしている」と本人もコメントしていたが、それも現役に近い指導者だからこそできること。そういった感性はさすがだと指揮官も感じるようだ。

「選手が欲しいタイミングで、彼しかできないアドバイスをしたり、ピッチで感じる細かいことを指示するなど、その感覚には感心させられます。『今、選手ミーティングをやった方がいい』とそれとなく伝えたり、黙って見守っていたりというのも、つい最近までピッチに立っていたからこそ、できること。26年間、プロサッカーの世界にいて、世界も知っている人間ならではの立ち振る舞いができるんだと思います。

 昨季の中村コーチは倉石圭二コーチとともに居残り組の練習も担当してくれましたし、練習計画を立てたり、ポジション別指導や全体練習後の個別のシュート練習にも携わるなど、仕事の範囲を徐々に広げていきましたね。そういう意味でも収穫の多かった1年目だったのかなと思います」と、四方田監督は労いの言葉を口にした。

 今年はJFAのS級指導者ライセンス講習会受講が正式決定。春以降はたびたびチームから離れることになるが、プレシーズンのキャンプなどでは選手と密にコミュニケーションを取れる。
 
 桐光学園高の後輩にあたる福森晃斗は「自分の武器はフリーキックですが、近年はあまり決めていない。俊輔さんの近くでキックに磨きをかけ、また数多くのゴールを奪いたい」と意欲を示していたが、FK職人の成長にも寄与してくれるはずだ。

 そんな中村コーチを含め、四方田監督は練習内容の立案や実践、ミーティングなどを各コーチに託すことが多くなってきたという。

 今季は、同じミシャ監督の門下生でもある堀孝史ヘッドコーチが就任。2006年ドイツ・ワールドカップ参戦経験のある土肥洋一GKコーチも加入し、より分業体制を確立しやすくなるだろう。

 日本代表の森保一監督も2023年3月の第二次体制移行後は、トレーニングを名波浩、前田遼一の両コーチらに任せることが多くなった。

「全てを1人でやっていたら仕事が薄くなってしまう。より質の高い指導をするためにも、任せられるところは各コーチに任せて、自分はマネジメントに徹していた方がいい」と指揮官は話していたが、四方田監督も年齢を重ねるごとに分業へとシフトしていったようだ。

「最初に札幌ユースの監督になった頃は、全部自分でやろうとしていたと思います。ただ、トップチームでこの10年くらい働いているうちにスタッフの数がどんどん増え、分野別に細分化されてきた。そういった流れも踏まえて、よりコーチに任せる部分は増えています。

 今年に加わった堀コーチは、サッカー観やトレーニング方法も共有できますし、誰とでもうまくやってくれる人なので、安心して任せられます。他の指導者も含めて、良い関係性を構築していくことが肝心だと思います」と、四方田監督は意欲を見せる。

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