【バイエルン番記者】すべてが詰まった極上のバトル。レーブ代表監督も絶賛した「デア・クラシカー」

カテゴリ:連載・コラム

パトリック・シュトラッサー

2016年03月08日

両チームともに戦術の完成度が高く、初歩的なミスはほぼ皆無。

2位ドルトムントとの頂上決戦は0-0で決着。ただ、ゲーム内容は見ごたえ十分だった。(C)Getty Images

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 ブンデスリーガ25節、勝点5差で迎えた2位ドルトムントとの天王山(全選手の寸評・採点)。バイエルンのジョゼップ・グアルディオラ監督曰く「トップ・オブ・トップ同士の対決」だったこのゲームは、スコアレスドローに終わった。

 得点こそ奪えなかったが、両チームには称賛の言葉を贈りたい。彼らは非常にハイレベルで、娯楽性に富んだ戦いを見せてくれた。

 両者ともに戦術の完成度が極めて高く、初歩的なミスはほぼ皆無。プレーのテンポが速く、個々のバトルも見ごたえが十分だった。このデア・クラシカー(スペインでいうクラシコ)には、すべてが詰まっていたと言ってもいい。「今シーズン、私が観たなかで最高の試合」とドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督が絶賛したのも納得だ。

 0-0という結果に胸をなで下ろしたのは、バイエルンのほうだろう。前節(ブンデスリーガ24節)で、17連勝中だったホームでマインツにまさかの黒星を喫したため、この一戦に敗れれば勝点差を2に縮められる可能性があった。難しい一週間だったが、よく乗り切ったと評価できる。

 驚かされたのは、ドルトムントの成長ぶりだ。ホームのアリアンツ・アレーナで、5-1で圧勝した前回の対戦(8節)時とは見違えるほどだった。

「もしドルトムントがいなければ、バイエルンはすでにマイスター(王者)の称号を手にしていただろう。逆にバイエルンがいなければ、ドルトムントがマイスターになっていただろう」

 試合後、グアルディオラ監督はそう語った。彼の言うことはもっともだ。25節終了時点でのドルトムントの勝点は58(18勝4分け3敗)で、優勝に十分手が届くペースでポイントを積み重ねているのだから。

「優勝争いはこの先もっとスリリングになるし、僕らはより大きなプレッシャーに晒されるだろう。残りの試合はファイナルのつもりで戦うよ」

 とトーマス・ミュラーは意気込みを語り、マティアス・ザマーSDも「ドルトムントは危険な存在だ。すべては我々次第だが、油断は禁物だ」と気を引き締める。

 残るはあと9試合。シーズンの成否を分けそうなのは、4月に控える上位陣との3連戦だろう。30節に4位シャルケ(4月16日)、31節に3位ヘルタ・ベルリン(4月23日)、32節に6位ボルシアMG(4月29日)との対戦が控えている。ここを乗り切れば、ブンデス史上初の4連覇が見えてくるはずだ。

 4月19日にはブレーメンとのDFBカップ準決勝がある。ここを勝ち進めば、5月21日の決勝でドルトムントと対戦する可能性が高い。最高の舞台で、もう一度極上のバトルを見せてもらいたいものだ。

文:パトリック・シュトラッサー(アーベントツァイトゥング紙)
翻訳:円賀貴子

【著者プロフィール】
Patrick STRASSER(パトリック・シュトラッサー)/1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年に『アーベントツァイトゥング』紙の記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
 

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