• トップ
  • ニュース一覧
  • 2023年のJ1で特筆すべき2チームは? 大躍進の神戸、来年はACL出場年の“不吉”を断ち切りたい。3位も地味な印象で終わった広島は...

2023年のJ1で特筆すべき2チームは? 大躍進の神戸、来年はACL出場年の“不吉”を断ち切りたい。3位も地味な印象で終わった広島は...

カテゴリ:Jリーグ

清水英斗

2023年12月25日

筆者が神戸を優勝に推せなかった理由

2023シーズンのJ1は、序盤から最上位を快走した神戸が初優勝を果たした。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 2023年のJ1は、戦前から群雄割拠のシーズンが予想されていた。

 2017年からJ1優勝を占めてきた二大幕府、川崎と横浜に戦力不安が目立つため、久方ぶり、あるいは初めてのリーグ優勝を成し遂げるクラブが登場する可能性がある。筆者はそれを浦和と予想したが、正解は神戸だった。

 神戸はハイプレスとサイド攻撃を徹底したスタイルで、序盤からリーグ最上位を快走。得点力が高く、3~5点の大量点をとる試合もチラホラ。明らかに強い。ただし神戸には、それでも優勝に推せない不安要素があった。

 選手層だ。率直に言って主力とサブの差が大きい。代わりがきかない。それは実際、サブ組主体で挑むルヴァンカップの低調さにも表れていた。夏に入ると、徐々に固定メンバーのコンディションが崩れ始め、エースの大迫勇也などの主力をフルに起用できず、勝点を落とす試合が増加。そこに8月、齊藤未月の長期離脱が重なった。

 シーズンを通せば、何らかのアクシデントは起こり得る。8月の神戸は勝点のペースが大きく下降したが、再び上昇させようにも代わりがきかないチームの編成上、難しいのではないか。夏場、まさに神戸を優勝に推せない不安が露出した。

 しかし、想定以上だったのはその後だ。中央に君臨したボールハンター齊藤を失ったことで、外から中へ追い込んで奪う、4-3-3プレッシングを維持するのは困難。扇原貴宏では強度が違うので、齊藤の代役にならない。選手起用を変えたり、5バックも試したが、結果を好転させるには至らなかった。どうする神戸。

 最終的にたどり着いたのは、中から外へ追い込んで奪う4-4-2の守備だった。ベクトルの逆転だ。佐々木大樹がサイドに、井出遥也が前線(トップ下)に入って中盤の強度を保証し、中→外でボールを追い込んで奪う。この仕組みなら、扇原はビルドアップに関わる持ち味を存分に発揮できる。神戸は齊藤の代役を追い続ける限り、一生たどり着けなかったシステムの再構築に成功。終盤は6勝1分で横浜を突き放し、優勝を果たした。
【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
 この修正経験、ベンチメンバーの組み込み経験が、来季にどう生きるか。神戸の年度別成績はわかりやすい。前年に天皇杯で優勝してACL出場権を得た2020年は、リーグ14位に低迷。逆にリーグ戦に集中した2021年は3位に上がり、再びACLに出場した2022年は13位へ下降。そして今年はリーグ戦に集中し、初優勝を果たした。

 ACLとの両立に苦しむのは大なり小なり、どのチームでも起こり得るが、神戸はひと際波が大きい。この流れ通りなら、来季の神戸は再び沈むシーズンになる。選手層、主力と控えの差、選手の高齢化など、考えられる編成上の不安要因は今も多い。

 ただし、今季終盤の修正力、再構築の経験を頼りにするなら、今までとは異なる傾向も見られるかもしれない。ACLも出場した2大会はベスト4、ベスト8と勝ち進んでいるので、こちらも期待できる。

 また、現状JリーグとACLはシーズンが半季ずれているため、リーグの前半戦はACLの影響を受けない。後半戦までにチーム力を増強しつつ、リーグ戦が好調ならACLに1.5軍を回し、リーグが中位ならAVLに1軍を送り込んでタイトルを狙う戦略も可能だろう。ACL出場年に決まって大沈下する不吉を、来年の神戸は断ち切りたいところだ。
 
【関連記事】
Jリーグと欧州の最大の違いは? イニエスタの回答は――「日本は止まることがない」「ハイライトを見ても…」
「日本ははるかにレベルが高い」横浜のA・ロペスが日中韓の3リーグを比較!「中国は技術もコンタクトもない。韓国は...」
「ベルギーとかは駄目。主要リーグじゃないと…」鈴木優磨が海外挑戦を本音で語る!「鹿島と逆。急に個人のためにって」
闘莉王が日本史上最高のゲームメイカー三傑を忖度なしで選出! 小野伸二、遠藤保仁を抑えて1位に選んだのは?
「致命的なコンビになる」古橋亨梧がトッテナム移籍ならソン・フンミンに恩恵と英メディアが主張!日韓デュオに期待「賢明な手」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ