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U-17W杯で出番なしも大きな気づき。日大藤沢の2年生ボランチ布施克真は、選手権でも真摯にやり切る。見つめる未来はもっと先に

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年12月19日

中途半端なクリアで失点に絡む

強い決意で選手権に臨む布施。どんな立場であってもチームを下支えする覚悟だ。写真:安藤隆人

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 プリンスリーグ関東2部の参入戦。初戦で神奈川県リーグ王者の日大藤沢は、群馬県リーグ王者の前橋商と対戦。幸先良く先制し、ペースを握るも、後半アディショナルタイムのラストプレーで痛恨の失点。延長戦でも決着がつかず、PK戦の末に敗れた。

 インターハイでベスト4、選手権にも神奈川県代表として出場する日大藤沢にとって、プリンス関東2部昇格は悲願だった。だが、それを達成できず悔しさを滲ませる選手たちのなかで、1人の2年生MFが気丈な受け答えをしてくれた。

「僕のミスで失点をしてしまいました。(ラストプレーの)相手のフリーキックに対して、クリアの際に一瞬だけ躊躇してしまいクリアが短くなってしまった。痛恨でした」

 相手のハーフライン付近からのFK。2年生MFの布施克真はこぼれ球をペナルティエリア内で拾うが、クリアを相手に拾われて、そこからの展開で前橋商の10番・松村迅に角度のないところから強烈な一撃を喰らってしまったのだった。
 
 布施は今年11月にインドネシアで行なわれたU-17ワールドカップに、U-17日本代表のメンバーとして参加した世代屈指のボランチ。だが、日大藤沢において彼は絶対的なレギュラーではない。この試合でも後半のスタートから「あまりやったことがありません」と語る右サイドハーフで出場し、1-0になってからはボランチに移っていた。

「僕の強みはユーティリティ性だと思っているので、監督にここをやれと言われたら、問題なくやれますし、自分ができることを全力でやる姿勢は大事にしています。今日だと守備面での貢献と前への推進力をサイドで意識しましたし、ボランチではリードして終盤に入っていったので、前に積極的にボールを運ぶというより、カバーリングだったり、取られたところの守備だったり、リスクマネジメントを意識してやりました」

 淡々と自分がやるべきことを語る布施に、率直な心境を聞くと、彼は落ち着いたトーンでこう返した。

「もちろんスタメンから出たい気持ちは、ものすごくありますし、悔しい思いもあります。でも、大事なのはそこでいかにブレないで、出番が来た時に全力を出したり、チームのオーダーにきちんと答えながらも自分の良さを出せたりできるかどうか。そこは今年1年間で学んだことでもあります」

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