献身的な守備も光る
とにかくボールを取られない。その振る舞いは川崎の大島僚太を彷彿させる。相手が来ても161センチの身体を上手く使って外し、周りの動きを確認しながら常に自分がコントロールできる場所にボールを置く。
U-17日本代表のDF吉永夢希(3年/ヘンク加入内定)やMF名和田我空(2年)といったタレントが攻撃力を発揮できるのも、10番を背負う1年生ボランチ福島和毅の存在があったからだ。
神村学園中等部の頃から注目を集めてきた逸材が、鹿児島城西との選手権予選決勝の舞台で輝いた。
「福島がだいぶ落ち着いてゲームをコントロールしていた。1年生だけど、頼もしいなと思って見ていました」
神村学園高の有村圭一郎監督が賛辞を送った通り、風の影響でスリッピーだったピッチをものともせずに、正確な技術でゲームを支配する。4-4-2のダブルボランチの一角で先輩たちを操り、ボールを収めては叩いて攻撃のリズムを生み出した。
それを可能にしたのが、ボールの受け方だ。半身の状態でパスを呼び込み、常に複数のプレー選択肢を確保。相手DFの足が届かない場所にボールを置く技術も見事で、テンポ良くパスを散らした。
後半5分にキャプテンのFW西丸道人(3年/仙台加入内定)が先制点を奪ったが、その直前には正確なフィードで左SBの吉永にボールを供給。ピッチを俯瞰する能力も含め、ゲームを作る才覚を決勝の舞台でもいかんなく示した。
【選手権PHOTO】堀北・ガッキー・広瀬姉妹! 初代から最新19代目の藤﨑ゆみあまで「歴代応援マネージャー」を一挙公開!
U-17日本代表のDF吉永夢希(3年/ヘンク加入内定)やMF名和田我空(2年)といったタレントが攻撃力を発揮できるのも、10番を背負う1年生ボランチ福島和毅の存在があったからだ。
神村学園中等部の頃から注目を集めてきた逸材が、鹿児島城西との選手権予選決勝の舞台で輝いた。
「福島がだいぶ落ち着いてゲームをコントロールしていた。1年生だけど、頼もしいなと思って見ていました」
神村学園高の有村圭一郎監督が賛辞を送った通り、風の影響でスリッピーだったピッチをものともせずに、正確な技術でゲームを支配する。4-4-2のダブルボランチの一角で先輩たちを操り、ボールを収めては叩いて攻撃のリズムを生み出した。
それを可能にしたのが、ボールの受け方だ。半身の状態でパスを呼び込み、常に複数のプレー選択肢を確保。相手DFの足が届かない場所にボールを置く技術も見事で、テンポ良くパスを散らした。
後半5分にキャプテンのFW西丸道人(3年/仙台加入内定)が先制点を奪ったが、その直前には正確なフィードで左SBの吉永にボールを供給。ピッチを俯瞰する能力も含め、ゲームを作る才覚を決勝の舞台でもいかんなく示した。
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また、この試合で光ったのが、献身的な守備だ。中学時代から技術に定評があった一方で、ハードワークは不得手だった。「走ることは苦手」と本人が認めるように、ハードワークは高校に入ってからも課題の1つ。
しかし、U-18高円宮杯プレミアリーグWESTで主力として経験を積み、守備力がアップした。夏場までは競り負けるシーンや体力不足を露呈していたが、毎週火曜日に行なわれる“走り”のトレーニングにも力を入れ、今では1試合の走行距離が12キロまで伸びた。
今回の鹿児島城西戦でも、身体を張った守備と豊富な運動量で逞しいプレーを披露。「リーグ戦で強い相手と戦っているので、きつい時間帯にも少しずつ走れるようになってきた。夏に比べるとかなり楽になりましたね」と振り返った福島は、「守備のところでは少し頑張れたかな」と安堵の表情を見せた。
そうした頑張りは先輩たちも認めるほど。決勝後に西丸が「下級生がすごくタフに頑張ってくれていた」と話したように、力強く戦えるようになったのは成長の証だろう。
当たり負けする場面もあり、攻撃面ではゴールを直接脅かすような“怖さ”はまだ出せていない。課題もあるが、示した可能性は無限大。昨年度の卒業生である福田師王(ボルシアMG)や大迫塁(いわき)、1学年上の名和田と同じく1年次から出場機会を得ている。そのポテンシャルは本物だ。
鹿児島城西を1-0で下して7年連続となる選手権の出場権を掴んだ神村学園にとって、福島はチームに欠かせない存在になりつつある。12月28日に開幕する本大会でも躍動できるか。全国の舞台でブレイクする可能性は十分にある。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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「ずっと苦手意識を持っていた」神村学園MF名和田我空が抱く危機感。相手の懐に入れなければ――「この先、僕の成長はない」
しかし、U-18高円宮杯プレミアリーグWESTで主力として経験を積み、守備力がアップした。夏場までは競り負けるシーンや体力不足を露呈していたが、毎週火曜日に行なわれる“走り”のトレーニングにも力を入れ、今では1試合の走行距離が12キロまで伸びた。
今回の鹿児島城西戦でも、身体を張った守備と豊富な運動量で逞しいプレーを披露。「リーグ戦で強い相手と戦っているので、きつい時間帯にも少しずつ走れるようになってきた。夏に比べるとかなり楽になりましたね」と振り返った福島は、「守備のところでは少し頑張れたかな」と安堵の表情を見せた。
そうした頑張りは先輩たちも認めるほど。決勝後に西丸が「下級生がすごくタフに頑張ってくれていた」と話したように、力強く戦えるようになったのは成長の証だろう。
当たり負けする場面もあり、攻撃面ではゴールを直接脅かすような“怖さ”はまだ出せていない。課題もあるが、示した可能性は無限大。昨年度の卒業生である福田師王(ボルシアMG)や大迫塁(いわき)、1学年上の名和田と同じく1年次から出場機会を得ている。そのポテンシャルは本物だ。
鹿児島城西を1-0で下して7年連続となる選手権の出場権を掴んだ神村学園にとって、福島はチームに欠かせない存在になりつつある。12月28日に開幕する本大会でも躍動できるか。全国の舞台でブレイクする可能性は十分にある。
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