フェイエノールトは1-3で敗戦
11月28日、チャンピオンズリーグ(CL)。フェイエノールトは本拠地でアトレティコ・マドリーと戦い、1-3と敗れている。グループリーグ突破の可能性は消滅したわけだが…。
ハーフタイム後、ピッチに立った日本代表FW上田綺世は一つの可能性を示している。
上田はしきりに裏を狙うようなそぶりを見せ、それまで停滞していた攻撃に活気を与えた。浮き球を胸に呼び込み、あと一歩でシュートまでいく。その可能性につられたように、足元をめがけてパスが差し込まれるようになった。そしてスルーパスをサイドに流れて受け、クロスを送っている。バックラインからもロングパスを引き出し、相手ディフェンスと入れ替わると、左足で狙ったシュートがわずかに枠を逸れた。
その動き出しは、アトレティコの堅牢なディフェンス陣も悩ましていた。
上田が撹乱することによって、もう一人のFWサンティアゴ・ヒメネスも、ようやく裏でボールを受けられるようになった。得点の気運は高まっていた。エース格のメキシコ代表ヒメネスが、この日はブレーキだったのだが…。
【動画】上田がCLデビュー戦でOGを誘発!
ハーフタイム後、ピッチに立った日本代表FW上田綺世は一つの可能性を示している。
上田はしきりに裏を狙うようなそぶりを見せ、それまで停滞していた攻撃に活気を与えた。浮き球を胸に呼び込み、あと一歩でシュートまでいく。その可能性につられたように、足元をめがけてパスが差し込まれるようになった。そしてスルーパスをサイドに流れて受け、クロスを送っている。バックラインからもロングパスを引き出し、相手ディフェンスと入れ替わると、左足で狙ったシュートがわずかに枠を逸れた。
その動き出しは、アトレティコの堅牢なディフェンス陣も悩ましていた。
上田が撹乱することによって、もう一人のFWサンティアゴ・ヒメネスも、ようやく裏でボールを受けられるようになった。得点の気運は高まっていた。エース格のメキシコ代表ヒメネスが、この日はブレーキだったのだが…。
【動画】上田がCLデビュー戦でOGを誘発!
76分、上田は味方とパスを出し入れしながら、一気に切り込み、右足を強振した。ゴールにはならなかったが、CKになった。そのキックをヘディングで味方が押し込み、追撃弾につながっている。この時点で、1-2と追い上げたことで、十分に同点、逆転の気配も漂った。
しかしアトレティコは試合巧者で、一枚上だったと言える。自分たちがボールを持つ時間を増やし、のらりくらりと戦いながら、80分には焦りを突くように敵陣でセットプレーを得た。そして、際どいクロスがオウンゴールを誘った。これで決着はついた。
結局、上田はノーゴールに終わった。しかしアトレティコのディフェンスを相手に脅威を与えられたことは一つの収穫である。日本人ストライカーとして次につながる戦いだった。
今シーズン、オランダ王者のフェイエノールトに移籍した上田は、現時点では2番手ストライカーでポジションをつかめていない。リーグ戦11試合出場も先発は一度もなく、1得点のみ。CLでは4試合に出場し、1試合は先発もノーゴールだ。
しかし、周りとの連係を作りつつある。
上田は、自分の得意な形を伝えることでボールを呼び込み、ゴールネットを揺らしてきた。昨シーズン、所属したベルギーのサークル・ブルージュでも、開幕11試合はわずか2得点だったが、それ以降はプレーオフも合わせると20得点。仮説、論理を積み重ね、ゴールという実証につなげることで突っ走るストライカーだ。
12月13日、セルティック戦は消化試合だが、上田にとってはターニングポイントになるかもしれない。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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しかしアトレティコは試合巧者で、一枚上だったと言える。自分たちがボールを持つ時間を増やし、のらりくらりと戦いながら、80分には焦りを突くように敵陣でセットプレーを得た。そして、際どいクロスがオウンゴールを誘った。これで決着はついた。
結局、上田はノーゴールに終わった。しかしアトレティコのディフェンスを相手に脅威を与えられたことは一つの収穫である。日本人ストライカーとして次につながる戦いだった。
今シーズン、オランダ王者のフェイエノールトに移籍した上田は、現時点では2番手ストライカーでポジションをつかめていない。リーグ戦11試合出場も先発は一度もなく、1得点のみ。CLでは4試合に出場し、1試合は先発もノーゴールだ。
しかし、周りとの連係を作りつつある。
上田は、自分の得意な形を伝えることでボールを呼び込み、ゴールネットを揺らしてきた。昨シーズン、所属したベルギーのサークル・ブルージュでも、開幕11試合はわずか2得点だったが、それ以降はプレーオフも合わせると20得点。仮説、論理を積み重ね、ゴールという実証につなげることで突っ走るストライカーだ。
12月13日、セルティック戦は消化試合だが、上田にとってはターニングポイントになるかもしれない。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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