イマノル・アルグアシルが指揮を執り、タケ・クボ（久保建英）がスタープレーヤーして君臨するレアル・ソシエダは、格下や下位相手に順調に白星を積み重ねる一方で、上位陣との対戦ではポジティブな結果を残せない傾向がある。

　今シーズンもレアル・マドリー、アトレティコ・マドリーに続いてバルセロナにも敗れ、ここまで３強相手に３連敗。さらに残念なのは、その３試合とも、ほとんどの時間帯で相手を上回っていたにもかかわらず、ゴール前の詰めの甘さが響いたこと。そこにビッグクラブ贔屓の判定が加われば、いつもの負けパターンだ。バルサ戦でも、ミケル・オジャルサバルがジュール・クンデに倒されたシーンで、タケの言い回しを借りれば、主審はPKをくすねた。

　ソシエダが内容で圧倒していたのは、マルク＝アンドレ・テア・シュテーゲンが攻守を連発する一方で、アレックス・レミロのセーブ機会が90分までなかったことからも裏付けられる。

　もっとも、これでホームゲームにおいてバルサ相手に９試合白星から遠ざかっている。毎回毎回、同じことが繰り返されるのは、もはや偶然ではなく、何か理由がある。思い起されるのはチャンピオンズリーグのインテル戦だ。同じように強豪相手に序盤から圧倒しながら、終了間際に得点を許し、１－１のドローに甘んじた。アルグアシル監督が交代カードを切ることを難しくしているレギュラーと控えの実力差が改めてクローズアップされる。

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　ソシエダの猛攻を引っ張ったのがタケだった。いつものように右サイドでワイドにプレーし、対面したアレックス・バルデと、ボックス内への進入を阻むイニゴ・マルティネスの監視下に置かれた。開始３分、右CKのチャンスを得ると、ミケル・メリーノの頭めがけてクロスボールを蹴り込むが、シュートはわずかに枠を外れた。16分にはアンデル・バレネチェアのクロスに逆サイドで反応。角度のないところから右足のシュートを放つも、テア・シュテーゲンのセーブに阻まれた。

　古巣相手にモチベーションの高いタケは、その後も積極的にボールを要求し続けた。エンドが変わった54分、カットインからマイナスのパスを送ったが、ブライス・メンデスの力のないシュートはテア・シュテーゲンに難なくキャッチされた。72分には、ドリブルで鋭く切り込み、ゴールライン際から左足で折り返すも、味方に合わなかった。

　手痛い敗戦の後、ソシエダのドレッシングルームにはフラストレーションが溜まっていた。負けず嫌いのタケも怒っていた。良いサッカーをしていても、ゴール前の攻防でこれだけ譲歩し続ければ、結果はなかなかついてこない。チームとしてもう一段階ステップアップするためには、ここで自身を顧みる必要がある。自己批判の強いタケの存在が重要になってくる。

取材・文●ミケル・レカルデ（ノティシアス・デ・ギプスコア）
翻訳●下村正幸

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