２シーズン連続でヨーロッパリーグ出場を決めるなど非常に順調だったフライブルクは今季序盤から苦しんでいた。強豪クラブの一つとしてライバルからの警戒値が一回り上がったことに加え、主力選手の相次ぐ離脱が大きな痛手として襲い掛かった。

　特にキャプテンでドイツ代表歴もある左SBクリスティアン・ギュンターの穴を埋めるのは簡単ではない。ギュンターはプレシーズンに行われたスイスリーグのグラスホッパー・チューリッヒとのテストマッチで右腕を骨折。一度は復帰したが、怪我の回復具合が思わしくなく、再度のオペを余儀なくされたのだ。

　左サイドに入るイタリア人MFビンツェンツォ・グリフォとのコンビはフライブルクが誇る最大の武器で、ギュンターが繰り返すダイナミックかつ、質の高いオフザボールの走り込みで攻撃に変化と厚みを加えていた。絶大な信頼を寄せる相棒の不在でグリフォは孤立し、徹底マークされることが増えてしまう。

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　左がだめなら右といきたいが、堂安律は親知らずの治療の影響もあり、昨季のような躍動感あるプレーが影をひそめる試合が少なくなかった。加えて、中盤の底から攻守をコントロールするニコラス・へフラーはレッドカードによる３試合の出場停止があり、昨シーズン得点源としてゴールを挙げたオーストリア代表FWミヒャエル・グレゴリチュも負傷が続き、満足なコンディションでプレーができないでいる。

　シュツットガルトに０－５で大敗したり、昨季のチームからは想像できないほどパスミスが続く試合もあった。だが、そうした苦悩がある中でも監督のクリスティアン・シュトライヒはU－23から将来性の高い若手選手を積極的に起用しながら様々なトライを繰り返し、７節終了時で勝点10という結果を残した。

　そんななか、10月の代表週間を経て迎えたボーフム戦は、完全復活の兆しが感じられる試合となった。シュトライヒは新システムで挑んだのだ。

　左サイドにドイツU－21代表ノア・ヴァイスハウプトを起用。スピードがあり、１対１で勝負ができ、そしてギュンターのように裏のスペースへ抜けだすプレーが得意な彼がいることで、グリフォのプレーが蘇ってきた。

「夏にアンダー21代表があって、遅めの休暇になって、オペもあった。ここまで20～30分しかプレーできない状況だったけど、代表中断期にあったバーゼルとのテストマッチで90分プレーしていいプレーを見せてくれていたんだ。１対１で勝負ができる選手だ。ノア(ヴァイスハウプト）はいくつかの状況でチャンスを作り出した。クリスティアン・ギュンターのような動きを見せてくれたよ。あの動き出しがあるとビンツェ(グリフォ)はさらに別のクオリティを発揮できる。守備ラインの裏へとしかえていく選手がいると生きるんだ」（シュトライヒ監督）

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