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【消えた逸材】アーセナル戦のスーパーゴールは語り草。「新しいジダン」として登場した天才はいまUAEで2年目に――

カテゴリ:連載・コラム

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2023年11月18日

テクニックは超絶的で、発想は独創的

トッテナム時代のターラブト。(C)Getty Images

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アデル・ターラブト(MF/元モロッコ代表)
■生年月日/1989年5月24日(34歳)
■身長・体重/182センチ・77キロ
 

 アデル・ターラブトは、天才だった。
 
 テクニックは超絶的で、発想は独創的。繊細にして大胆で、うっとりするようなパスを通し、目の覚めるようなゴールを決めた。
 
 モロッコで生まれ、11歳で家族とともにフランスのマルセイユに移り住んだ。本格的にサッカーを始めたRCランスの下部組織ですぐに台頭し、フランスU-17代表に選ばれる。評判が評判を呼んだ。新しいジネディーヌ・ジダンが現われたと。
 
 ジダンは憧れの存在だった。ルーツが同じマグリブ、マルセイユの移民の子という境遇も同じで、身近に感じられるロールモデルとして私淑した。もちろん、あの魔法のようなプレーに魅了されていた。
 
 ターラブトは、気まぐれだった。
 
 やりたいことをやり、言いたいことを言う。気が向かなければ誰の指示にも従わず、監督を怒らせ、チームメイトを呆れさせた。せっかくの才能を、ついぞ磨こうとはしなかった。
 
 RCランスでプロデビューしてすぐ、17歳でトッテナムに移籍した。2006-07シーズン途中の1月だ。刺激に満ちたロンドンで、若者は遊びに夢中になった。煌びやかなナイツブリッジを闊歩し、ナイトライフを満喫した。
 
「キャリアをやり直せるなら、(自分自身に)こうアドバイスするね。あんなに早くフランスを離れちゃいけないって。トッテナムに行ったとき、プロとしての経験はほんの数試合だった。自分ひとりの意思で決められたなら、少なくともあのシーズンはランスに残ってプレーした。でも、クラブが売るって決めたんだ。俺はランスで1年やりたかった」
 
 ウェブメディア『ジ・アスレティック』でこう振り返ったように、結果的にトッテナム移籍は時期尚早だった。当時のトッテナムは良くも悪くも放任主義で、若い選手を育てるサポート体制が不十分だった。それでも、本人に覚悟がなかったのも事実だろう。サッカーと真摯に向き合う心構えだ。
 
 結局、キャリアのハイライトと言えるのはクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)時代だ。生活態度や練習態度にも口を出さず、おおらかに見守ったニール・ウォーノック監督のもとで伸びやかに才能を発揮し、10-11シーズンのプレミアリーグ昇格に貢献し、続く2シーズンはプレミアリーグ残留の原動力となった。昇格を決めたシーズンは19ゴール・21アシストでチャンピオンシップ(2部)の年間MVPに輝いた。
 
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