レアル・ソシエダとアスレティック・ビルバオのように100年以上続いているライバル関係の主役の１人になったとき、両チームが顔を合わせるダービーとその結果がもたらす意義を理解することは重要である。

　イマノル・アルグアシル監督は試合前日、初めてダービーを戦う選手たちに、バスク２大クラブの決闘がどのようなものであるかを説明したことを強調した。

「そうだ。私は選手たちにはっきり言った。明日、私が何を伝えたか分かるだろう。私が毎回、ダービーにどのような気持ちで臨んでいるか知っているはずだ。ファンにとっても、私にとっても、ダービーは最も特別な試合だし、選手たちもそれを分かっている。良いプレーをすること、そして何よりも勝つことが重要だ。

　もちろんアスレティックにとっても我々と同じくらい特別な一戦だが、今回はホームゲームだ。ファンの後押しが重要になってくる。第１節で対戦することになっても、ダービーであることに変わりはない。勝たなければならない試合なんだ。ファンにとってもね。彼らは一緒に戦い、楽しみたい。何節に開催されるかは関係ない。ダービーであり、ホームゲームだ。ファンには満足してスタジアムを後にしてもらいたい」

【動画】ゴールパフォも話題！久保がダービーで決めた鮮烈弾

バスクダービーの特別性を強調するのは、敵将のエルネスト・バルべルデも同様だ。

「スペインで最高のダービーだ。敵味方関係なく、ファンが一緒に楽しむことができる。他のダービーで同じような光景を目にすることはない。勝敗を競い合う中で、両チームのファンが一緒くたになることができる」

タケ・クボ（久保建英）もまたバスクダービーを楽しんでいる１人だ。加入早々にライバル関係を肌で感じたことも、その理解を深める一助になっている。プレシーズン期間中に行われたその”初ダービー”についてこう振り返っている。

「タイトな試合になることは分かっていたので、そのつもりで臨んだ。前半、ボコボコ蹴られた。地面に倒れ込んでいる間に、何人かの選手が僕を見て笑っている姿を目にした。不快だったよ。彼らには何も言わなかったけど、正直言って嫌な気分になった。（マッチアップを繰り広げた）ユーリ（ベルチチェ）に押されたときに何か言われたかもしれない。もっとも僕はこうしたななれる試合が好きだ。プレシーズンマッチだと、ファウルの基準が甘くなり、蹴られる頻度も増える。公式戦ではまた違ったものになるだろう」

自身のことを怖いもの知らずと公言するタケにとってダービーは、むしろ大歓迎のようで、その醍醐味についてはこう語っている。

「好きなスタジアムを３つ挙げろと言われたら、アノエタ（レアレ・アレナ）を除くと、サン・マメスを挙げる。ライバルであっても、ファンの圧がすごくて、雰囲気がとてもいいからね。僕にとってはそれが発奮材料になる。直接のライバルであれば、なおさらだ」