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覇権奪回へ痛すぎる敗戦。勝負どころをモノにできず、退場者の続出...川崎は諦めずに立ち直れるのか

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2023年08月13日

神戸戦は前半で数的不利に

首位の神戸に敗れた川崎。勝点差は15に広がったが、今後のリーグ戦へどう臨むか。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第23節]川崎0-1神戸/8月12日/等々力陸上競技場

 覇権奪回を目指し続ける川崎にとっては痛すぎる敗戦となった。

 試合前の首位の神戸とは勝点12差。逆転優勝へはこのホームでの直接対決で神戸を叩く必要があった。

 7月22日の敵地・神戸での対戦では、2-0から後半に2失点し、悔しいドロー。さらに勝点の積み上げを狙った前節のホームでのG大阪戦は打ちあいの末に3-4で敗戦。

 ここ数年で多くの人材が海外挑戦し、絶対的な柱であったキャプテンの谷口彰悟が抜けた今季は、積極的に若手を登用し、世代交代を図ってきたが、これまでのような勝負強さは限られた試合を除き、見せられぬまま。

 それでも常に「優勝」を目標にしてきた鬼木達監督の下、今回の神戸戦が、もう後にはないだろう流れを変える大きなチャンスであったが、0-1で敗れる結果となった。
 
 神戸戦は今季を象徴するかのようなゲームであった。

 前節のG大阪戦では緩さが目立ち、4失点した守備を立て直し、好調の瀬川祐輔を左ウイングに配した攻撃陣もチャンスを作るなど良い入りを見せた。

 もっとも一瞬の隙を突かれる。

 37分、脇坂泰斗が打開を図ろうと難しい体勢から放ったシュートはDFにブロックされ、ボールは川崎のCBの前にポジションを取っていた神戸のCF大迫勇也のもとへ。すると警戒していたはずの大迫に起点を作られ、左サイドのジェアン・パトリッキへスルーパスを通されると、ブラジル人アタッカーに独走を許した。

 CB大南拓磨が後追いし、一時はペナルティエリア内で倒したと判定されるも、VARの介入を経て、足が引っ掛かったのはエリアの外とジャッジされる。しかし、今度は決定機阻止として大南に提示されていたイエローカードがレッドカードに変更。そしてこのFKを大迫に見事に決められた。
 
「やっぱりずっと言い続けてるリスク管理のところ。大迫(勇也)選手に対してふたり(CBの大南と山村和也)いましたので、そういう意味で言うと、そこのところで先に触られてはいけないというところが、やっぱり非常に重要かなと思っています。

 あそこに入ると、本当に周りの選手がかなりスピードアップしてくるのは伝えていたので。本当に相手の狙っているところをやられましたし、あとは行かれても最後、キーパーもいましたので、我慢強く、もしあれで失点してたとしても、11人でいれば、また違った展開になったというのはあったと思います。

 やっぱりこの夏場の中でひとり少ないというのはかなりのダメージにもなるので、また自分たちのゲームコントロールというところは、判断のところは、やっていかなければいけないかなと感じます」

 そう振り返ったのは鬼木監督である。

「後半は10人であれだけできたのだから...」

 脇坂も悔しそうな表情を浮かべる。

 確かに後半は数的不利ながらよく反撃したが、やはり勝負どころで後れを取り、退場者を出す状況を作ってしまったことがこのゲーム最大のポイントだったのだろう。

「局面、局面の細かいところだと思うが、セカンドボールを拾えずにカウンターを食らって失点につながってしまった。そういった細かいところに、もっとこだわってやらないといけないと思います」

 今季キャプテンに就任した橘田健人もそう語る。

 勝負のアヤとなる細部へのこだわり、技術力の成長、意識の向上は今季、取り組んできたことであり、各選手が口にしてきた要素でもあった。

 それが大事な神戸戦で改めて表われてしまった点に今の川崎の課題があると言えるのだろう。

 マジメな選手が多く、一人ひとりが真摯にトレーニングに励んでいる。今季、序盤はなかなか複数得点が取れなかったが、実際に得点数は増しており、「よくなっている感覚はある」と脇坂も語る。

 それでもこうした重要なゲームを掴むまでの域にはまだ届いていないということなのだろう。神戸戦のように今季は退場者が出る試合が増えており、チームのバランスの悪さも目立つ。

 また個人的に気になるのが、一人ひとりの奮闘は光るが、試合の要所を読み、チームを引っ張るような存在が見えないことだ。

 リーダーとしての自覚は「自分に足りないところだと思いますし、みんながもっと持っていかなくちゃいけない意識のところだと思います」と脇坂も話す。

 若い選手が増えた分、難しい部分でもあるのだろうが、そうした自覚が個々をより輝かせるようにも感じる。

「優勝争いから後退したという事実はやっぱりあると思います。ただ、リーグは続きますし、そういう意味で言うと、そこはもう諦めるという意味ではなく、しっかりと現実を受け止めながら、ただやっぱり一戦一戦大事にしっかりと戦っていきたいです。当然諦めるつもりはないので。それは自分たちからそういう形になることはこれからもないと感じています」(鬼木監督)

 諦めない。その言葉がどう表現されていくのか、チームは大きな岐路に立っているとも言えるのだろう。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)


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