オーストラリア＆ニュージーランド共催の女子ワールドカップを戦うなでしこジャパンは、８月11日に、準々決勝でスウェーデンと対戦する。

　グループステージでは、ザンビア（５－０）、コスタリカ（２－０）、スペイン（４－０）と無傷の３連勝で首位突破し、ラウンド16では３－１でノルウェーを撃破。試合ごとにスタメンを入れ替えるなど、今大会でも屈指のチーム力を発揮している。

「スタッフがそれぞれの分野で、テクニカルも、メディカルも、全ての分野が役割を果たせている。もちろん、それが結果に結びつかないことも経験しているなかで、選手たちがしっかりと躍動してくれて、結果に結びついているのは、準備している私たちにも励みになっている。スタッフワークもさらに良くなっているという実感もあります」

　そう語るのは、池田太監督の右腕とも言える存在の宮本ともみコーチだ。自身も現役時代はMFとして1999年、2003年、2007年と３度のW杯出場歴を持つ。

「自分が初めて99年に出させてもらった時は20歳。（今回は）それよりも若い選手が、（藤野）あおばだったり、（石川）璃音だったり。（浜野）まいかはまだ出てないですが。そういった選手が堂々とプレーしている。私が初めてワールドカップに出た時は、すごく緊張して、どんなプレーをしたのかも覚えていないくらい。それを考えるとすごく頼もしい。

　アンダー世代で世界を経験してきている選手ばかり。もちろん、このトップのワールドカップは初めての選手が多いですが、そういう選手たちが、世界を経験してきて、参加してきているのは、自分たちの世代とは全然違う。当時とは参加国数もかなり増え、規模もレベルもすごく上がっていると感じます」
【PHOTO】華やかにピッチで躍動！豪州＆NZ女子W杯、美女プレーヤーを特集！

　９回目を迎えた女子W杯は、初の南半球開催。出場国数も前回までの24から32枠に増え、大会自体の注目度も上がっている。だからこそ、先輩として、またひとりの指導者として、選手たちへのサポートにも余念がない。

「優勝して、環境がガラッと変わったのは自分も経験しているし、女子サッカーの歴史をつないできたというのもある。今回の結果でまた大きく左右されてくると思う。選手の時は、自分たちが何とかしなきゃ女子サッカーが終わっちゃうか、良くなるか」と、そんな危機感も持って戦っていたという。

　一方で、今はスタッフとして「選手がピッチには立つけど、チームがそれ（責任）を背負わなければならない。チームとして歴史を変える、環境を良くする。選手にすべてを背負わせないで、みんなで一体感を持って、一丸となって、みんなで未来を変えていく。それは、女子サッカーに関わった人たちすべての人の力なので、選手たちがプレッシャーを感じないように、みんなで戦っていけたら」

　そんな宮本コーチの想いが、なでしこジャパンのさらなる推進力となる。

取材・文●渡邊裕樹（サッカーダイジェスト特派）

「支配する時代は終わった」“絶対女王”アメリカ女子代表の歴史的敗北に米メディアが愕然！「国際的なエリートを育てなければ」

「もう優勝候補筆頭じゃないか？」４戦14発を叩き出したなでしこＪの“破壊力”に韓国メディアも感服！「驚くほど強かった」

【PHOTO】長谷川唯のダブルピース、猶本光の決めカット、熊谷紗希のキラキラネイル...なでしこジャパンFIFA公式ポートレートギャラリー