「チャンスをもらえなかった」恨み節が止まらない!“カカ2世”と呼ばれた天才の本音とキャリアに迫る「チェルシーはビジネスをしているだけ」【消えた逸材】
カテゴリ:連載・コラム
2023年07月26日
繰り返されたレンタル移籍
ルーカス・ピアゾン(MF/元ブラジルU-23代表)
■生年月日/1994年1月20日
■身長・体重/182センチ・75キロ
チェルシーには10シーズン在籍した。
2012年1月にブラジルからやってきた時の触れ込みは、「カカ2世」。均整のとれた体格にエレガントな身のこなし、ドリブルとパスで鋭くゴールに迫るプレースタイルが、ミランとセレソンで一時代を築いたレジェンドをたしかに彷彿とさせた。
サンパウロの下部組織出身という経歴、優等生然とした端正な顔立ちも、カカにダブって見える理由だった。
11-12シーズン途中から20-21シーズン途中までの足掛け10シーズンで、しかし実際にチェルシーのユニホームを着てプレーしたのは3試合だけだった。プレミアリーグ1試合、リーグカップ2試合の計3試合で、出場時間は合わせても161分に過ぎなかった。それでも才能の一端は見せつけた。
【PHOTO】2023年夏の移籍市場で新天地を求めた名手たちを一挙紹介!
■生年月日/1994年1月20日
■身長・体重/182センチ・75キロ
チェルシーには10シーズン在籍した。
2012年1月にブラジルからやってきた時の触れ込みは、「カカ2世」。均整のとれた体格にエレガントな身のこなし、ドリブルとパスで鋭くゴールに迫るプレースタイルが、ミランとセレソンで一時代を築いたレジェンドをたしかに彷彿とさせた。
サンパウロの下部組織出身という経歴、優等生然とした端正な顔立ちも、カカにダブって見える理由だった。
11-12シーズン途中から20-21シーズン途中までの足掛け10シーズンで、しかし実際にチェルシーのユニホームを着てプレーしたのは3試合だけだった。プレミアリーグ1試合、リーグカップ2試合の計3試合で、出場時間は合わせても161分に過ぎなかった。それでも才能の一端は見せつけた。
【PHOTO】2023年夏の移籍市場で新天地を求めた名手たちを一挙紹介!
スタメンでデビューを飾った12年9月のリーグカップ3回戦でウォルバーハンプトンを相手にいきなりアシストを決めると、12月23日のプレミアリーグ・デビュー戦でもアストン・ビラを相手にアシストをマークした。
74分にファン・マヌエル・マタとの交代で入ったその1分後だ。オフ・ザ・ボールの走り込みでパスを引き出すと、左サイドからドリブルで内に仕掛けながら広い視野で逆側の動きをしっかり捉え、ピッチを斜めに切り裂くスルーパスを同胞のラミレスに通した。さらに終了間際には、エリア内で突っかけてファウルを誘った。みずから蹴ったこのPKは外してしまったが、ピッチに立った16分間で確かなインパクトを残した。ずっと足を止めずにギャップを突き、ワンタッチパスにドリブルを交えてリズムを生み出した。
とはいえ、世界的なスターが居並ぶトップチームに割って入ることはできず、繰り返されたのがレンタル移籍だった。マラガを皮切りに、フィテッセ、フランクフルト、レディング、フルアム、キエーボ、リオ・アベと6か国の計7チームを渡り歩いた。
ロマン・アブラモビッチがオーナーになってから、チェルシーはアカデミーへの投資も惜しまず、世界中にスカウト網を張り巡らせて目ぼしいタレントを買い漁った。目利きは確かだった。青田買いしたダイヤの原石には、ケビン・デ・ブライネやモハメド・サラーも含まれる。しかし、その原石を磨き上げようとはしなかった。
レンタル先に預けて市場価値を高めながら、納得のオファーがあれば売り捌き、そうでなければまたレンタルに出して買い手がつくのを待つ。若手逸材たちはまるで投機対象のように扱われた。
74分にファン・マヌエル・マタとの交代で入ったその1分後だ。オフ・ザ・ボールの走り込みでパスを引き出すと、左サイドからドリブルで内に仕掛けながら広い視野で逆側の動きをしっかり捉え、ピッチを斜めに切り裂くスルーパスを同胞のラミレスに通した。さらに終了間際には、エリア内で突っかけてファウルを誘った。みずから蹴ったこのPKは外してしまったが、ピッチに立った16分間で確かなインパクトを残した。ずっと足を止めずにギャップを突き、ワンタッチパスにドリブルを交えてリズムを生み出した。
とはいえ、世界的なスターが居並ぶトップチームに割って入ることはできず、繰り返されたのがレンタル移籍だった。マラガを皮切りに、フィテッセ、フランクフルト、レディング、フルアム、キエーボ、リオ・アベと6か国の計7チームを渡り歩いた。
ロマン・アブラモビッチがオーナーになってから、チェルシーはアカデミーへの投資も惜しまず、世界中にスカウト網を張り巡らせて目ぼしいタレントを買い漁った。目利きは確かだった。青田買いしたダイヤの原石には、ケビン・デ・ブライネやモハメド・サラーも含まれる。しかし、その原石を磨き上げようとはしなかった。
レンタル先に預けて市場価値を高めながら、納得のオファーがあれば売り捌き、そうでなければまたレンタルに出して買い手がつくのを待つ。若手逸材たちはまるで投機対象のように扱われた。