現地ベテラン記者が香川真司を密着レポート「サポーターから“パーフェクトなジョーカー”との称賛が」

カテゴリ:連載・コラム

マルクス・バーク

2015年12月18日

香川は2試合連続でサポーターから…。

途中出場のヴォルフスブルク戦とフランクフルト戦で結果を残した香川。サポーターに「パーフェクトなジョーカー」と言わしめた(C)Getty Images

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 12月15日のDFBカップ3回戦で、ボルシアMGとブレーメンが激突した(ブレーメンが4-3で勝利)。この対戦カードで思い出したのは、1983-84シーズンのDFBカップ準決勝だ。
 
 途中出場したボルシアMGのFWハンス・ヨルク・クリーンスは、後半ロスタイムに同点弾を、そして延長戦の107分に決勝ゴールを叩き込み、ブレーメン撃破の立役者となった(結果は5-4)。大仕事をやってのけたクリーンスを、当時のTVレポーターは「ジョーカー」と表現。それがきっかけで、ドイツ・サッカー界でもジョーカーという言葉が使われるようになった。
 
 30年以上も前の出来事を持ち出したのは、香川真司がリーグ戦ここ2試合(15節と16節)に途中出場し、その2戦の活躍ぶりを見たサポーターたちがこう言ったからである。「香川はパーフェクトなジョーカーだった」と。
 
 2-1で勝利したヴォルフスブルク戦(12月5日)では、ロスタイムに決勝点を奪取。4-1の快勝を飾ったフランクフルト戦(12月13日)では空いたスペースにスプリントして絶妙なラストパスを送り、ピエール=エメリク・オーバメヤンのチーム2点目をお膳立てした。
 
 途中出場でもすぐにゲームに入り、決定的な状況を作れるのは素晴らしい。しかしその一方で、そういった選手は、監督に「貴重なジョーカー役」と位置付けられてしまう危険性を孕む。もっとも、好調を維持する香川にその心配はないだろう。
 
 それを裏付けるひとつの根拠が、マルコ・ロイスの負傷(先のフランクフルト戦)だ。このアタッカーの離脱で、攻撃陣の1席を埋めなければならない。これで香川が今年ラストゲームのケルン戦(17節)で先発メンバーに入っていなければ、私はかなり驚くだろう。
 
 現在2位のドルトムントは3位以下に9ポイント差をつけており、チャンピオンズ・リーグ出場権獲得へ順調な歩みを見せている。一方で首位バイエルンとの勝点差は5にもかかわらず、優勝争いに関してはこれまでどおり、誰も意識していない。
 
 それでもトゥヘル監督は選手に対して、こう言っているに違いない。「バイエルンが取りこぼした時に備えて、1試合1試合、全力で3ポイントを獲りにいこう」と。
 
 もっとも、私の考えは変わっていない。今シーズンのブンデスリーガを制するのは、バイエルンだろう。この絶対王者はドルトムント以上の戦力値を誇り、試合を決定づけられる“ジョーカー”を多く抱えているのだから。
 
文:マルクス・バーク
翻訳:円賀貴子
 
【著者プロフィール】
Marcus BARK(マルクス・バーク)/地元のドルトムントに太いパイプを持つフリージャーナリストで、ドイツ第一公共放送・ウェブ版のドイツ代表番としても活躍中。国外のリーグも幅広くカバーし、複数のメジャー媒体に寄稿する。1962年7月8日生まれ。
 

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