ヤマザキナビスコカップ決勝は10月31日、埼玉スタジアムで行なわれ、３-０で鹿島がG大阪を下して大会史上最多となる６度目の優勝を飾った。
 
　この試合に出場した昌子のコメントをお届けする。
 
昌子 源（鹿島／DF）
 
――どんなことを意識して試合に臨みましたか？
 
「パトリックが（鹿島から見て）左側に流れて、宇佐美は今回はサイドハーフにいましたけど、右サイドに流れる。G大阪は、FWが左右に分かれる特徴があったので、僕は左CBに入った時点で、パトリックとやらなきゃいけないなと覚悟はしていました。
 
　ここで負けたら絶対チーム自体がやられるなと思っていましたが、セカンドボールを（味方が）ほとんど拾ってくれたので、前半からうちらしいサッカーができていたんじゃないかなと思います」
 
――３-０という結果をどう捉えていますか？
 
「前半からすごく良いサッカーができていたと思います。蓋を開けたら３点とれましたけど、前半も結構危ないシーンがありました。宇佐美のコーナーからのカウンターだったり、ああいうのを仕留められていた可能性ももちろんありましたが、ディフェンスとしては結果的に無失点で抑えられたのは良かったかなと思います」
 
――試合後、負傷中の土居選手のユニホームを着ていましたね。
 
「試合前にもいろいろな記者の方に言いましたけど、天皇杯を僕たちが（敗退して）失くしてしまった。日数で言うと、天皇杯決勝は（復帰が）間に合う期間だった。僕自身も（土居）聖真に『決勝までに絶対戻るから』と言われていましたし、僕たちがその機会を失くしてしまったことがすごく申し訳ないなと思いました。そういう気持ちを込めて、今日は聖真のためにも戦おうと決めていました」
 
――パトリック選手を抑えて、完封していました。
 
「FWの選手にもいろいろ特徴があると思うんです。ちょっとイラついたら本来のプレーができないとか。特に外国人の選手はそういうイメージがある。
 
　でも、パトリックは性格的には穏やかで、全然怒ってるイメージがないので、なかなかそういう駆け引きは難しいかなと思ったんですけど、今日の試合に関しては多分怒りを感じてたので、ちょっとずつ僕と（ファン・）ソッコのペースに誘いこめたかなというのが要因のひとつかなと思います」
 
――今季は、スタートで躓きながらも、監督交代を経て、ここまで調子を上げてきました。好調のきっかけはなんだったのでしょうか？
 
「（トニーニョ・）セレーゾ監督が駄目というわけではないですけど、石井監督になって、初日からずっと『最低限戦う姿勢を見せてほしい。結果がどうであれ、一生懸命戦ってファイトする姿を見せてほしい』と言われているので、そういう（気持ちの）面で試合でのアグレッシブさだったり、今日の（小笠原）満男さんを見てもらったらわかると思いますけど、球際でも果敢に攻める。MVPに値するレベルだと思いますし、ああいう先輩の背中を見て、僕たちも学んでいるところが大きいので、まだまだ現役を続けてほしいなと思います」
 
――小笠原選手らベテラン選手に支えられて勝ち獲った優勝です。
 
「モトさん（本山）ももちろん試合に出たかったと思うんですけど、ずっとベンチから声が聞こえていました。常にムードメーカーで、モトさんが、僕たち後輩に経験を伝えてくれるいうのがすごくわかりますし、本当に偉大な79年組だと思います」
 
――これで、クラブ通算17個目のタイトルです。さすがは常勝軍団という感じですね。
 
「そうですね。石井監督はそういう流れや鹿島の強さっていうのをよく知っています。僕ら選手は非常に石井監督のことを信用していますし、監督も僕たちのことを信じてくれています」