【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「ミハイロビッチ監督を簡単には切れない事情」

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2015年10月27日

今のミランにはアイデンティティーがまるでない。

プレースタイルが似通るバッカ(右)とL・アドリアーノ(左)をダブル獲りするなど、ミランの今夏の補強には疑問が少なくない。(C)Getty Images

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 オーナーは「もうウンザリだ……」と不平を漏らし、サポーターは強く抗議し、チームは機能せず、監督はその座が風前の灯……。いつかどこかで見たような風景である。どうやらミランは、また同じことを繰り返しているようだ。
 
 いや、もっと粗悪なコピーかもしれない。昨シーズンにフィリッポ・インザーギの下で同じ状況に陥ったのは、冬から春にかけての中盤戦以降。しかし、今シーズンはまだ序盤戦でこれなのだ。砂上の楼閣のようにミランが不安定な状態になるには、2か月で十分だった。
 
 2014年1月のマッシミリアーノ・アッレグリの更迭から始まった悪夢はその後、クラレンス・セードルフ、インザーギを巻き込み、今またシニシャ・ミハイロビッチが襲いかかろうとしている。まさしく無限の悪夢である。
 
 一体なぜ、チャンピオンズ・リーグ優勝7回を誇る世界屈指の名門はこんな苦境に陥ってしまったのか? その答は簡単で、そして根が深い。ミランにはサッカーのスタイル、つまりアイデンティティーがないからだ。
 
 その責任はミランに携わる全員に等しくある。まず選手がゴールを奪えず、多くの失点を喫している(9節を終えて15失点は最下位カルピの21失点に次ぐリーグ最多2位タイ)のは事実だ。
 
 しかし、そもそも今夏の補強が大失敗だったのは明白だ。トップクラスのMFが必要だと分かっていながら、獲ったのはお世辞にもワールドクラスとは言えないアンドレア・ベルトラッチとユライ・クツカだったうえ、経験豊富で信頼性の高いCBが不可欠だと知っていながら、買ったのはまだ20歳で発展途上のアレッシオ・ロマニョーリだった。
 
 タイ資本の経営参画を見越してクラブは資金を調達したものの、カネができた途端にアドリアーノ・ガッリアーニ副会長は、カルチョメルカート(移籍市場)でカルロス・バッカ、ルイス・アドリアーノ、そしてマリオ・バロテッリとFWばかりを買い漁った。
 
 フランコ・バレージ、パオロ・マルディーニ、ヤープ・スタム、アレッサンドロ・ネスタ、そしてチアゴ・シウバ――。ミランがスクデットを勝ち取った時には、常に世界最高クラスのCBが最終ラインに君臨していた過去を、クラブはすっかり忘れてしまったようだ。

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