パトリックを封じられ、G大阪は“怖いチーム”ではなくなった。
あと1点――。それが遠かった。
日本勢で唯一、アジア4強に勝ち進んだG大阪は、広州恒大との準決勝第2戦を1-0で勝てば決勝進出だった。0-0の手に汗握る展開に持ち込み、残るはゴールのみ。だが、その1点を取る作業が、とてつもなく難しかった。
【ACL PHOTOハイライト】G大阪 0-0 広州恒大
エースの宇佐美が、疲労の蓄積で本来の調子ではない状況も影響した。相手からすれば、前線のパトリックさえ封じ込めてしまえば、G大阪は“怖いチーム”ではなくなったのだ。
2013年のACL王者で、アジア屈指のビッグクラブである広州恒大にとっては、0-0というスコアも勝ち上がるために想定内の結果だっただろう。必死のG大阪に対し、したたかさも兼ね備える広州恒大。あと一歩だったとはいえ、そこに確かな差が存在した。
この日の先発メンバーで、2008年のACL優勝を知るのは遠藤保仁と二川孝広のふたりのみ。遠藤はこのように敗因を分析した。
「08年の時よりも安定して戦うことができるチームだった。でも『なにが足りないか?』と言われれば、経験が足りていなかったのだと思います。それが力のなさかもしれないですし、一概には言えないけれど、ひとつ言えることは、もっとレベルアップしないといけないということ。決勝に行くのはそう簡単ではない。7~8年も行けないのは当然のこと。それだけ、決勝は難しい」
敵地で戦った9月30日の準決勝第1戦は、アウェーゴールを奪いながら1-2の敗戦だった。長谷川健太監督がベンチ入り停止だったことからも、許容範囲内の結果と言える。ホームの第2戦は、広州恒大にアウェーゴールを許さずに勝つプランだったに違いない。