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「凄く衝撃を受けた」レフェリーと“大人の駆け引き”が上手だった選手とは?【審判員インタビュー|第3回・飯田淳平】

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年10月27日

小中高生と大人の試合の違いは、「駆け引き」の有無

飯田淳平主審は、レフェリーと選手の関係性に年々変化が生まれているという。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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「審判員」。サッカーの試合で不可欠ながらも、役割や実情はあまり知られていない。例えば、「審判員」と法を裁く「裁判官」を同等に語るなど、本質の違いを見かけることもあれば、「審判員にはペナルティがない」という誤った認識を持っている人も少なくはない。

 罰するために競技規則を適用しているわけではなく、良い試合を作るために競技規則を適用していく。それが審判員だ。

 そんな審判員のインタビューを、『サッカーダイジェストWeb』と『週刊レフェリー批評』(株式会社ダブルインフィニティ)が前編と後編に分け、隔月で連載していく。

 第3回は日本サッカー協会(JFA)と契約するプロフェショナルレフェリー(PR)である飯田淳平氏にインタビューを行なった。

取材・文●石井紘人 @targma_fbrj

――◆――◆――

――サッカーをはじめたきっかけを教えて下さい。

「私が小学6年生の時にJリーグが開幕して、そのブームに乗っかってサッカーをはじめました。レギュラーとして試合には出てはいましたが、強豪校でもなければ、トレセンに選ばれたりもしておらず、選手として高いレベルでプレーしていた訳ではありません」

――審判に興味を持ったきっかけは何だったのですか?

「私が住んでいた地区には、当時からJリーグで活躍していた岡田正義(元国際主審)さんがいらっしゃったので、審判という存在は身近でした。

 そんななか、高校生の春の大会で、副審によろしくない文句を言ってしまい、元一級審判員の牧野明久さんにイエローカードを出されまして(苦笑)試合後、冷静になって、『これではダメだ』と思い、『四級審判員の資格でもとろうかな』と。

 そのタイミングで、岡田さんが1998年のフランス・ワールドカップでレフェリーを務められました。同じ地区なので、お話する機会があり、審判への思いが強くなりました。

 その頃、自分がプレーすることに加えて、弟が所属する少年サッカーのお手伝いをしていたのですが、試合には審判が必要ですよね。私が審判を担当しているうちに、二級審判員や一級審判員の方々と触れ合い、私自身も一級審判員を目指すことにしました」
 
――以前、原博実(元FC東京監督)さんにインタビューした際に、「よくFC東京の練習試合を飯田さんにお願いしていた」とおっしゃられていました。覚えていますか?

「もちろんです。一年浪人してから大学に入るのですが、その時には東京都サッカー協会から割り当てを受けて、毎週、審判員として活動していました。家も大学もFC東京の練習場に近かったので、割り当てを受けやすかったのもあります。試合後には、原さんに『あの判定は〇〇じゃない』とご意見頂いたり。そんな時に、サッカーダイジェスト誌を読んでいたら『レフェリーカレッジの生徒募集』という広告があって、迷わず応募しました」

――レフェリーカレッジはどのようなスケジュールで、どのような講義があったのでしょうか?

「専門学校のようにレフェリーカレッジの建物があるわけではなかったので、月に2回、金、土、日に授業が行なわれていました。金曜の夜に集合して、レクチャーを3つくらい受けます。そのまま宿泊して、土曜の午前中はフィジカルセッション。午後には練習試合があり、その試合の映像を夕方から皆で振り返ります。小幡(真一郎:元国際審判員)さんや石山(昇:元国際審判員)さんから現在のJリーグ担当審判員研修会のように、様々なアドバイスを頂いていました。他にも、大会に審判員として参加させて貰うこともありましたし、短期合宿などもありました」

――金曜のレクチャーはどのような内容でしょうか?

「競技規則の理解を深めるために、解釈だけでなく、競技規則の原点である歴史的な背景なども勉強しました。他にも運動生理学、心理学、栄養学もありましたし、世代別の日本代表監督さんから監督や選手目線のレクチャーもありました。

 カレッジマスターの小幡さんが柱としていたのはサッカー競技を理解して、その中でレフェリーに求められることを整理し、自ら成長するためのサイクルを作るということ。そのための『レフェリーマインド講座』が印象的です。当時、Jリーグのキャリアサポートセンターに勤められていた方が講師として、『仕事とは何か?レフェリーという職業を仕事にするということは?』というレクチャーは、将来をイメージ出来たように思います」

――仕事としてのレフェリーを意識させるというのは凄く重要ですね。そういった意味では、たとえばJFLの試合を担当しても、そこまでの驚きはなかったですか?

「いえ、JFLデビューの試合は、試合終了直前くらいに足をつりました(苦笑)ただ、レフェリーカレッジで色々な事を見て学べたので、大きなギャップはありませんでした。

 私が一番驚いたのは、二級審判員になった後ですね。二級審判員になると、小中高生ではなくて、関東リーグなど、大人の試合を担当することがあります。大人の試合は、スピードもありますし、キック力もあるので展開も変わりやすくなりますし、色々な駆け引きも出てきます」
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