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【岩本輝雄】優勝が目前も足踏み状態のマリノス。本来の強さが感じられないのは、ゴールへのアプローチで工夫や変化が足りないから

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2022年10月14日

攻撃がどこか単調になっていたようにも思う

水沼の良質のクロスは大きな武器。でも現状のままでは…。写真:徳原隆元

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 3年ぶり5度目のリーグ優勝に王手をかけているマリノスが、足踏みしている。

 2位のフロンターレの結果によるところもあったけど、優勝を決められる可能性があった8日のガンバ戦に続いて、12日のジュビロ戦も敗戦。まさかの連敗で、フロンターレとの勝点差は「2」に縮まった。

 あれだけ勢いのあったマリノスが、いきなりのブレーキ。ガンバには0-2、ジュビロには0-1。2試合連続で無得点と、持ち前の攻撃力を発揮できず。正直、本来の強さがほとんど感じられない内容でもあった。

 残留争いの渦中にあるガンバ、ジュビロが相手だったことも、マリノスにとってはアンラッキーだったかもしれない。J1の生き残りをかけて負けられない両チームは、まず守備から入る。人数を割いて自陣ゴール前を固めてくる。こうなると、さすがのマリノスも攻めあぐねてしまう。

 無理にこじ開けようとしても、攻撃がどこか単調になっていたようにも思う。ポゼッションで優位に立って、ガンガン攻めるけど、割り切って守る相手に対して手詰まりになる。水沼の良質なクロスも跳ね返されていたね。

 相手が出てこなければ、以前から言っているように、力技で崩そうとしなくてもいい。敵陣でプレーする時間を長くできるとしても、あえてセンターラインのひとつ後ろでボールを回す。「攻められるのに何やってるの?」と思われるかもしれないけど、それで少しでも相手を誘い出せれば、攻め込むスペースが生まれる。

 もちろん、強引さがあってもいい。ただ、クロス攻撃にしても、もうひと工夫があれば、というところかな。

 たとえば水沼が敵陣のペナルティエリア付近でマイボールにしたとする。当然、相手は水沼のクロスを警戒した対応をしてくる。その相手を引きはがすような味方の動き出しがもっと欲しいね。水沼にボールが渡った瞬間に、鋭く裏に抜け出すとか。

 そういう周りのサポートで、水沼のマーカーや相手守備陣を下げさせる。ほんのちょっとズレを生じさせるだけでいい。なぜなら、水沼はわずかな時間と空間さえあれば、高精度のクロスを入れられるから。
 
 クロスを直接、ゴール前の味方に合わせようとしなくてもいいと思う。あえてファーを狙って、折り返させる。相手DFを揺さぶるというか、目線を外させるというか。そうした変化をもたらすアプローチも、ここ2試合は少なかったように思う。

 相手を引き出すという意味では、ミドルの数も物足りない。ボランチがもっと積極的に狙ってもいいだろうし、サイドバックの永戸は良い左足を持っているんだから、中に入ってきて、どんどん打てばいい。

 優勝がかかるシチュエーションで、少なからずプレッシャーもあれば、焦りもあると思う。それでも、今のこの状況を作ってきたのは自分たちなんだし、そこは自信を持つべきで、難しいかもしれないけど、普段通りにプレーできればゴールも奪えるはず。

 次は少し期間が空くけど、ホーム最終戦でレッズと対戦。レッズは残留がかかっているわけではないから、ガンバやジュビロとはまた違った戦い方をしてくるかもしれない。つまり、専守防衛とはならないということ。

 相手が前に出てくれば、スペースも生まれて、マリノスが得意とするスピーディなアタックも仕掛けやすくなる。自分たちのスタイルを取り戻して、タイトルに近づく勝点3を手にできるか。意地を見せてほしいね。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、50歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを観戦&研究する日々を過ごす。

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