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指導もする。運営も手がける。エネルギッシュなセカンドキャリア。元グランパス田鍋陵太の多忙な日々

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2022年09月26日

練習場所の確保、コーチの配置、スポンサー集めにSNSでの告知

単なる指導者の枠にとどまらない活動を続ける田鍋。「もう大忙しですよ(笑)」と声を弾ませる。

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 50メートルを5秒8で走るスピードが武器だった現役当時と同様に、田鍋陵太のセカンドキャリアは実にパワフルで活動的だ。

 名古屋で5年半、期限付き移籍の熊本で半年間のプロ生活ののち、社会人リーグを経て、2020年限りで引退。現在は指導者としての道を歩んでいるが、その活動内容は多岐に渡る。

 指導のスタートを切ったピースユナイテッドのU-15監督と並行し、今年から運営にも携わるようになったのが、インテルナシオナルジャパン横浜東京だ。ファルカンやドゥンガも所属したブラジルの名門クラブから暖簾分けする形で兵庫県に誕生した同クラブが、2006年のクラブワールドカップ優勝にちなんで横浜での活動を決めたのは今年のこと。

 その時のエースだったアレッシャンドレ・パトのように、古くからヨーロッパに有望な選手を輩出してきたクラブの理念は、日本における活動でも貫かれている。

「世界に通用する選手の育成を」。選手育成への興味を増し続けていた田鍋はその理念に共感し、また周囲との共存共栄を望む思いから、パストラスクールという自身が指導に関わるスクールの運営会社との関係性も生かしつつ、横浜校の設立にこぎつけた。

 現在の田鍋は火曜日にインテル、水曜日と木曜日にピースユナイテッド、金曜日にパストラと日々違う場所で、それぞれの所属選手たちと向き合い、自分の経験を生かした指導の日々を展開している。
 
 インテルナシオナルジャパン横浜においては練習場所の確保、コーチの配置、スポンサー集めにSNSでの告知など、すべてを一手に引き受ける。「もう大忙しですよ(笑)」。苦笑いするが、楽しそうな声だ。

 コーチ陣には、今年現役を引退した元名古屋の酒井隆介などもおり、かつての仲間たちとの関係性もフルに生かして良質な指導を実践。また、「アスメンプロジェクト」の協力で、子どもたちにメンタルノートとサッカーノートの無償提供を行なったり、4歳から12歳の児童に適した成分のプロテインや、熱中症対策ゼリーも企業との提供スポンサー契約のなかで無償提供できるようにし、サッカー指導だけに留まらない分厚いサポートも売りだ。

「スクールでサッカーを教えるのはメインなんですけど、それ以外の付加価値も」というのは田鍋の育成に対する基本姿勢であり、インテルの選手たちには選手の試合映像を使った個人向けフィードバックも定期的に行なっているというから実に手厚い。

 今回の取材後にも、スポーツ科学とAIによるトレーニングプランを提案する「アローズラボ&ジム新宿」との業務提携を取りまとめ、さらなる価値をインテルというクラブに付加してみせた。社会人リーグ時代に勤めた大手一般企業での経験は、彼を単なるサッカー指導者ではない、プロデューサーとしての才能も引き出したようだ。
 
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