【日本代表/会見要旨・質疑応答編】シリア戦は「一番難しい、一番重要な試合」

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェスト編集部

2015年10月01日

「我々はアイデンティティを探しているところ」

シリア戦に向け、フィジカルコンディションを危惧するハリルホジッチ監督。イランとの親善試合では、何人かの選手を試したいとも。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 10月1日、ワールドカップ2次予選のシリア戦(10月8日)、国際親善試合のイラン戦(10月13日)に臨む日本代表メンバー23人が発表された。ここでは、会見の後半に行なわれた質疑応答の様子をレポートする。
 
――シリアの印象、具体的にどこを脅威と感じているか? また、シリア戦をベストメンバーで戦い、イラン戦はある程度テストにあてるのか?
 
「シリア戦は7、8試合(ビデオで)見ました。個人の長所と短所まで情報として持っています。誰がどのようにプレーするかはほぼ予想していて、何人か良いプレーヤーがいます。
 
 特に驚いているのが、ゴール前での効率性、リアリストであるところです。彼らは、(ゴールを奪うのに)それほど多くの決定機を必要としないでしょう。我々がどのようなレベルにいるのか、かなり良いテストになると思います。
 
 我々が準備しなければいけないのは、しっかり戦えるチームになること。この試合をしっかり勝つ準備をしようと伝えています。
 
 イランとの2試合目は、恐らく何人かの選手をトライすると思います。それぞれの可能性を見たいと思っています。そして、彼らに適応してもらいたい。ただ、プレゼントではありません。資格がある人間にしか機会は与えません。
 
 まず米倉に関して、私は彼を左SBで起用しましたが、米倉は戦える選手、デュエルに行ける選手と判断しました。実際に米倉は前に行く姿勢を見せてくれました。
 
 米倉は、所属クラブでは右サイドでプレーしています。それでも、グラウンド上で彼を見た時に、左サイドでかなりの可能性があると感じました。特にオフェンス面においてです。彼は戦う意識と100パーセントのスプリントが素晴らしい。それは、すべてのDFに当てはまるものではありません。
 
 イランでは8万人の観客が集まる可能性があり、プレッシャーもあるでしょう。そんな状況でこそ、選手のパフォーマンスがはっきり分かる。ただ、まずはここへ行く資格があるかどうかを見せてくれなくてはいけません。
 
 例えば南野や塩谷などは、初めて(私が率いる)A代表に呼びました。もちろん彼らを信頼していますが、TV(試合)で観る彼らとエクササイズで見る彼らは違います。そして、グラウンド上で私の知識がひとつ大きくなるわけです」
 
――アフガニスタン戦では6点を奪ったが、次のシリア戦での攻撃のイメージは?
 
「皆さんご存知のとおり、我々はアイデンティティを探しているところです。我々が持っている長所で勝負しよう、ということです。今のところ、ロングボールを前線に放り込むのは我々のアイデンティティではありません。
 
 できるだけグラウンダーのパス、特に背後へのボールを使おうとしています。そして、背後へフリーで走るということ。それから3人目、4人目を使う、リターンを使うといったいろんなバリエーションを付ける。スピードを伴ったグラウンダーのプレーで相手を崩したいわけです。
 
 何人かの選手は、そのスタイルに素早くアダプトできていません。特にリズムの変化の部分で、我々の攻撃のプレーをもっと速めたいと思っています。個人のプレー、組織のなかでも同じことが言えます。
 
 また、我々はブロックも重視しています。例えば我々の攻撃の際には、守備ブロックを高い位置にしたいと思っています。このようなプレーを我々はすべきです。そうすることで、A代表としてたくさんの試合をこなしてはいないシリアに問題を起こせるはずです。ディテールについてここでは話せませんが、多くのアイデアは持っています。
 
 問題は、日本がどれだけ疲労回復できるか。シリアはすでに昨日から合宿をはじめていて、明日はオマーンと親善試合を戦います。恐らく、フィジカル的に我々よりフレッシュな状況で臨んでくるでしょう。
 
 我々の選手のなかには、(6日の)火曜朝に到着する選手もいます。皆さんがこの状況をどう判断するかは分かりませんが、私にとっては大きな問題です。また、怪我を抱えている選手が多いことも心配です。
 
 特に筋肉系の問題を抱える選手が多くいます。どこに問題があるのかを私は理解していますし、何度か警告しています。特に国内リーグに所属する選手には『もっとトレーニングしてくれ』と伝えています。
 
 ラグビー日本代表のフィジカルトレーナーは『日本のチームは、フィジカル的にかなり良い準備ができた』と言っていました。フィジカル的に良い準備ができていなければ、大きなことは成し遂げられません。ちょっとした怪我でも問題は起きる。ただ、私は(この現状について)どこに原因があるのかは分かっています。
 
 選手には『個人のトレーニングをしてくれ』と言っています。『そうしないと、自分の立場を失うよ』と。それから、移動についても気を付けるように伝えました。
 
 長い距離の移動では、我々もメディカルスタッフと相談してできるだけ早く疲労回復ができるように心掛けています。アイスバスに使う道具も用意しています」
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