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2009年夏のマドリーを思い起こさせる超大型補強。世界的な注目を取り戻したバルサの賭けは吉と出るのか

カテゴリ:メガクラブ

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2022年07月30日

悲観論がはびこっていたクラブの周辺は、一転して期待と熱狂に

バルサへの移籍が決まったフランス代表CBクンデ。(C)Getty Images

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 バルセロナの大型補強が凄まじい。ラフィーニャ、ロベルト・レバンドフスキらに続き、7月28日にはシャビ監督の今夏の大本命、CBジュル・クンデの獲得にも成功した。

 数年分の投資をまとめて行なうその戦略は、フロレンティーノ・ペレスが会長に返り咲いた2009年夏のレアル・マドリーを思い起こさせる。直前のシーズンに3冠を達成した宿敵バルサに対抗すべく、クリスチアーノ・ロナウド、カカ、カリム・ベンゼマ、シャビ・アロンソらを同時に獲得したあの夏だ。

 もちろん、将来の収入を売り切りするバルサの手法には賛否両論があるだろう。バイエルン・ミュンヘンのユリアン・ナーゲルスマン監督は、「クレイジー」と皮肉っている。

 しかし、ファンはそのやり方を受け入れ、悲観論がはびこっていたクラブの周辺は、一転して期待と熱狂に包まれている。背景にあるのが、スペインのファン気質だ。スペイン人のファンがフットボールに何を求めるか。それは“イルシオン”だ。日本語で幻想、期待、夢という意味で、近年そのイルシオンがみるみる萎んでいたのがバルサだった。

 そしてバルサにはそんなファン心理を掴むことに長け、行動力もカリスマ性も伴ったジョアン・ラポルタ会長がいる。第1次政権時にもロナウジーニョの獲得やジョゼップ・グアルディオラ監督の招聘に踏み切るなど、大胆な賭けを好む人物だ。

 昨夏は勝負に出ようとしても、財政事情が許さなかった。しかし今夏は、経済的テコ入れの発動というウルトラCでそれを成し遂げている。もちろんスポーツ面で成果を挙げることを大前提とした戦略だ。今シーズン、ラポルタ会長とシャビ監督の両トップにかかる責任と重圧は計り知れないものになるだろう。
 
 そもそも余剰戦力を整理しなければ、せっかく獲得した新戦力を選手登録すらできない。傍から見ると、理解し難い状況かもしれないが、フットボールとはそういうもの。スペイン人はそう考えていて、そこにラポルタがうまく乗っかった形だ。

 間違いなく言えるのは、昨夏のリオネル・メッシの退団が象徴するように、急激にブランド力を失っていたバルサが、この大型補強によってふたたび世界的な注目を取り戻したこと。大胆な賭けは吉と出るか否か。大きなイルシオンとリスクとともに、バルサが積極投資による成長路線へと舵を切った。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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