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【采配検証】改めて日本人監督の難しさを痛感。経験の場を与えるなら、もっと未来を見据えても良かった

カテゴリ:日本代表

加部 究

2022年07月25日

手本として立ちはだかるなら、勝つことが大前提

日本は中国にスコアレスドロー。壁の高さを知らしめるどころか、逆に勇気を与える試合になったかもしれない。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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[E-1選手権・第2戦]日本0-0中国/7月25日/豊田スタジアム

 E-1選手権での日本の役割は、東アジア周辺諸国の牽引だ。もちろん韓国との頂上決戦も大切だが、むしろ中国を初めとする周辺国に刺激を与えることで地域のレベルアップを図ることも大切なタスクになる。

 中国戦の前夜には埼玉スタジアムでパリ・サンジェルマンが浦和と戦い3-0で一蹴したが、言わばE-1選手権で日本はパリSGのように対戦相手に学習材料を提供する責務も担っている。それが将来、東アジア周辺国の底上げを導き、自国への刺激として還元されて初めて利益となる。

 そして手本として立ちはだかるなら、勝つことが大前提となる。例えばブラジルとの友好関係が長い日本代表は、まだアマチュア時代の1989年に本場のセレソンと対戦する機会を得た。ブラジル代表(セレソン)は、コパ・アメリカ(南米選手権)を制したばかりで、直後にはワールドカップ予選を控えていた。

 ブラジル代表選手たちにとっては、迷惑千万なマッチメイクだった。当然、内容は一方的だった。だがブラジル代表のコンディションは劣悪だったので、日本代表のゴールにはシュートの雨あられが飛んできたものの0-0で推移する。

 ようやく後半、Jリーグで活躍することになるビスマルクが決勝点を奪い1-0で勝利するわけだが、そういう意味では先月対戦した両国の試合も類似していたかもしれない。勝敗を分けたのは日本にとって不運なPKだったが、ブラジルは間違いなく力の差を見せつけて1点差で勝利を掴み、依然として日本とは12回戦ってきて10勝2分と1度も負けていない。
 
 中国代表のアレクサンドル・ヤンコヴィッチ監督は、0-3で敗れた韓国戦を経て「まずは守備の修正を図り、次に守るばかりではなくしっかりとパスを繋ぎゲームを構築する」テーマを掲げた。しかしゲームが進むとともに5-4-1の布陣は6-4へと変化し、苦し紛れのロングボールを放り込むことしかできなくなる。

 それでも後半は相手陣にボールを運び、そこで失った時だけはプレスをかけて奪還の姿勢を見せるようになった。中国唯一の決定機のきっかけを作ったのは、野津田岳人の不用意な右足でのダイレクト処理だった。ここから中国がCKを取り、ティアス・ブラウニングが頭で折り返したボールをチュー・チェンジェがまったくのフリーで叩いている。

 決まっていれば敗戦が待っていた。森保一監督は「大きなチャンスは一つも与えていない」と無失点を評価し「決め切れないことはサッカーではあり得る」と前向きだったが、中国には壁の高さを知らしめるどころか、逆に勇気を与える試合になったかもしれない。
 
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