先制点、決勝点を生んだ2人の日本人、そして酒井も好プレー。

決勝点の起点となったパスも含め、改めて視野の広さがうかがえた香川。代表帰りだが、鋭い反転のシュートを見せるなど、コンディションに問題はなさそうだ。 (C) Getty Images

怪我からの復帰初戦、序盤から押されっぱなしだったホームチームに、ワンプレーで先制ゴールをもたらした清武。完璧なスルーパスだった。 (C) Getty Images
ハノーファーが首位ドルトムントをホームに迎えた一戦で最初に輝きを放ったのは、右足中足骨の怪我が癒え、今シーズン初めてスタメンに名を連ねた清武だった。
18分、バイタルエリア手前でボールを受けると、鋭い反転からドルトムントのDFラインを切り裂く一撃必殺のスルーパスを披露。このボールを受けたMFアンドレアセンが中に折り返し、CFソビエフがホームチームに先制点をもたらした。
圧倒的にボールを支配しながらも出鼻を挫かれたドルトムントは、相手の徹底したリトリート戦術に苦しむも、左右への執拗な揺さぶりから好機を作り出す。
34分、右サイド深くまで進攻した右SBギンターの横パスを受けたMFホフマンが、敵DFフェリペに倒されてPKをゲット。これをエースのオーバメヤンが冷静にモノにすると、44分には逆転ゴールを叩き込む。またしても抜群のオーバーラップを見せたギンターからのクロスを、好調ムヒタリアンがダイレクトでネットに突き刺したのだ。
ここから、首位チームが畳み掛けるかと思われたが、53分、ハノーファーが意地を見せる。左サイドをドリブル突破したMFプリプのピンポイントパスがゴール前でフリーだったソビエフの元へ――。そして、この絶好機をエースがしっかりとモノにして、試合は振り出しに戻った。
その後は、ドルトムントがポゼッション、ハノーファーが清武のFKから活路を切り拓こうとするも、互いに決定的なチャンスを作り出せない。
その緊迫した状況下で“違い”を作ったのが香川だ。67分、エリア手前から敵のアキレス腱となっていた左SBアルボルノスの裏に素晴らしいボールを供給し、フェリペのオウンゴールに繋がるギンターの好クロスをお膳立てしたのである。
84分、今度は香川のクロスがエリア内にいたフェリペのハンドを誘発し、この日2度目となるPKをオーバメヤンが決めて勝負あり。終わってみれば、ロイス不在(負傷欠場)の不安をかき消す大量4ゴールを奪ったドルトムントが順当勝ちを収め、がっちりと首位を堅持してみせた。
この試合では、清武が先制点、香川は決勝点に絡むなど目に見える仕事をこなしたが、もうひとりの日本人、酒井も悪くないパフォーマンスを披露している。
守勢に回る時間が長く、持ち前のオーバーラップを仕掛けるシーンは限られたが、対峙したムヒタリアンやシュメルツァーに持ち場の右サイドを崩された場面はほとんどなく、90分間、集中を切らせない手堅い守りを、このハノーファーの日本人SBは見せていた。
文:遠藤孝輔
18分、バイタルエリア手前でボールを受けると、鋭い反転からドルトムントのDFラインを切り裂く一撃必殺のスルーパスを披露。このボールを受けたMFアンドレアセンが中に折り返し、CFソビエフがホームチームに先制点をもたらした。
圧倒的にボールを支配しながらも出鼻を挫かれたドルトムントは、相手の徹底したリトリート戦術に苦しむも、左右への執拗な揺さぶりから好機を作り出す。
34分、右サイド深くまで進攻した右SBギンターの横パスを受けたMFホフマンが、敵DFフェリペに倒されてPKをゲット。これをエースのオーバメヤンが冷静にモノにすると、44分には逆転ゴールを叩き込む。またしても抜群のオーバーラップを見せたギンターからのクロスを、好調ムヒタリアンがダイレクトでネットに突き刺したのだ。
ここから、首位チームが畳み掛けるかと思われたが、53分、ハノーファーが意地を見せる。左サイドをドリブル突破したMFプリプのピンポイントパスがゴール前でフリーだったソビエフの元へ――。そして、この絶好機をエースがしっかりとモノにして、試合は振り出しに戻った。
その後は、ドルトムントがポゼッション、ハノーファーが清武のFKから活路を切り拓こうとするも、互いに決定的なチャンスを作り出せない。
その緊迫した状況下で“違い”を作ったのが香川だ。67分、エリア手前から敵のアキレス腱となっていた左SBアルボルノスの裏に素晴らしいボールを供給し、フェリペのオウンゴールに繋がるギンターの好クロスをお膳立てしたのである。
84分、今度は香川のクロスがエリア内にいたフェリペのハンドを誘発し、この日2度目となるPKをオーバメヤンが決めて勝負あり。終わってみれば、ロイス不在(負傷欠場)の不安をかき消す大量4ゴールを奪ったドルトムントが順当勝ちを収め、がっちりと首位を堅持してみせた。
この試合では、清武が先制点、香川は決勝点に絡むなど目に見える仕事をこなしたが、もうひとりの日本人、酒井も悪くないパフォーマンスを披露している。
守勢に回る時間が長く、持ち前のオーバーラップを仕掛けるシーンは限られたが、対峙したムヒタリアンやシュメルツァーに持ち場の右サイドを崩された場面はほとんどなく、90分間、集中を切らせない手堅い守りを、このハノーファーの日本人SBは見せていた。
文:遠藤孝輔