• トップ
  • ニュース一覧
  • 完全なる主力は冨安だけ? 最終予選で田中、板倉、中山が台頭も、さらなる底上げが求められる東京五輪世代

完全なる主力は冨安だけ? 最終予選で田中、板倉、中山が台頭も、さらなる底上げが求められる東京五輪世代

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2022年06月09日

東京世代の突き上げは十分と言い切れない

代表で着実に存在感を高めている三笘(左)や中山(右)。ただ、まだ「絶対的主力」とは言えず、さらなる奮起が求められる。写真:サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影

画像を見る

 11月のカタール・ワールドカップ(W杯)に向け、重要な強化の場である4連戦の6月シリーズの“前半2戦”が終了。2日のパラグアイ戦は4-1で勝利し、6日のブラジル戦は0-1で敗れた。

 今後は、10日にガーナ戦、14日にチリまたチュニジアとの一戦が控える。ブラジル戦では現時点のベストに近い陣容で挑み、世界の高い壁にぶつかったが、それを超えるためにも、より多彩な組み合わせを構築する必要がある。

 そこで注目されるのが、東京五輪世代のさらなる台頭だ。

 ここまでの状況を見ると、パラグアイ戦では三笘薫(ユニオンSG)と田中碧(デュッセルドルフ)の2人がゴールを挙げ、ブラジル戦では板倉滉(シャルケ)がMVP級の働きを見せた。彼らに左SBで存在感を高めている中山雄太(ズウォーレ)を加えた4人は、昨夏の五輪本番にフル稼働した後、W杯最終予選で出場機会を増やしていった面々だ。

 とりわけ、田中は日本のW杯7大会連続出場に黄信号が灯った直後、昨年10月のオーストラリア戦で4-3-3のインサイドハーフに抜擢され、値千金の先制弾を挙げた。守田英正(サンタ・クララ)との左右のコンビも絶妙で、遠藤航(シュツットガルト)を加えた3人の中盤がV字回復の原動力になったと言っても過言ではない。今回のブラジル戦でもスタメンでピッチに立っており、現時点では森保ジャパンの主力の一員と見ていいだろう。

 中山も最終予選で8試合に出場。長友佑都(FC東京)の後継者筆頭の地位を築きつつある。板倉も1・2月の中国・サウジアラビア2連戦と、カタール行きの切符を獲得した3月のオーストラリア戦では、CBで3試合連続先発。不在だった吉田麻也(サンプドリア)と冨安健洋(アーセナル)の穴をしっかりと埋めた。

 さらに三笘もオーストラリアとの大一番で2得点という強烈なインパクトを残し、重要戦力としての地位を勝ち得た状態である。
 
 とはいえ、現時点で「絶対的主力」と言い切れるのは、別メニューの続く冨安1人ではないか。というのも、田中は原口元気(ウニオン・ベルリン)や鎌田大地(フランクフルト)という豊富な国際経験を誇る年長者に追い上げられているし、中山もまだまだ長友の控えから脱し切れていない。

 板倉の場合も吉田と冨安が揃った際にはベンチに追いやられる可能性が強く、三笘もジョーカーとしては有効だが、先発組に入っているわけではない。そう考えると、東京世代の突き上げが十分と言い切れない部分もあるのだ。

 翻って20年前の2002年日韓W杯のメンバーに目を向けると、初戦のベルギー戦のスタメン11人のうち、9人が2000年シドニー五輪世代だった。残る楢崎正剛と森岡隆三もオーバーエージ(OA)枠で五輪に出ていて、年齢的にほとんど変わらなかった。フィリップ・トルシエが五輪代表チームとの兼任監督を務めていたメリットを最大限に生かし、非常にフレッシュな陣容で史上初のベスト16入りを果たしたのだ。

 同大会で2ゴールを奪った稲本潤一(南葛SC)は当時22歳。今の久保建英(マジョルカ)と1歳しか違わない。それで大黒柱を担ったのだから、同じ兼任体制の東京五輪メンバーはもっともっと主軸に入り込む必要がある。
 
【関連記事】
「日本戦は寝そうになった」元柏のブラジル代表OBカレッカに、セレソンと対戦した“日韓の違い”を訊く!「韓国はとても軽快で…」【現地発】
「日本人はロボットか」メッシが日本の指導法を疑問視!?城彰二は「サッカーは感覚だから」と持論
「なんで取られないかって言うと…」久保建英が自身の“究極系”と考える名手は? 模倣したクルクルドリブルを代表の先輩に伝授する姿が反響!「目指す選手は間違っていない」
「イニエスタに聞いていたけど…」古橋亨梧がセルティックで受けた衝撃を語る!「岐阜や神戸も素晴らしかったけどレベルが違う」
「俺が監督なら1点は取れた」本田圭佑は森保Jのブラジル戦をどう見た?「特によかった」と評価したのは…

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ