“エゴイスト”から“周りを生かせるアタッカー”へ! 変貌を遂げた堂安律の現在地

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2022年06月03日

「(メンバーに)入れなかったのは悔しいけど、感謝している」

パラグアイ戦では周りを生かすプレーが光った堂安。何度もビッグチャンスを演出した。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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[キリンチャレンジカップ]日本 4-1 パラグアイ/6月2日/札幌ドーム
 
「選手間の競争という意味ではここが最後のアピールの場になる」とキャプテン吉田麻也(サンプドリア)が強調したように、今回の6月の4連戦は、半年を切った2022年カタール・ワールドカップへ向けた貴重なサバイバルの場。2日のパラグアイ戦は“当落線上”と目される面々が数多くスタメンに名を連ねた。
 
 W杯最終予選ラストの2連戦、オーストラリア戦とベトナム戦で選外となった堂安律(PSV)もその1人。「(メンバーに)入れなかったのは悔しいけど、感謝している。森保(一)監督が思っていることを伝えてくれたんで、しっかり存在感を見せたい」と前向きに語っていた。
 
 その言葉通り、自身の進化を明確に示す必要があった。
 
 2020年10月に行なわれた国際親善試合のカメルーン戦以来、1年8か月ぶりに右MFで先発した背番号21は、立ち上がりからアグレッシブさを前面に押し出した。

 南野拓実(リバプール)、中島翔哉(ポルティモネンセ)との“三銃士”として主力に位置づけられた森保ジャパン発足当時から、ゴールに向かう貪欲さは誰よりも強かったが、自分が決めたい思いが強すぎて、敵に突っ込んでいってボールを取られたり、フィニッシュに至らなかったりと空回りしがちだった。

 その“エゴイスト”的要素が堂安の良さでもあるのだが、それがマイナスに作用して、伊東純也(ヘンク)にポジションを奪われる結果になっていたのも事実だ。

 しかしながら、パラグアイ戦は縦へ行く動きよりも、味方を生かすチャンスメイクの意識が高かった。開始5分に右から大きなサイドチェンジを出し、三笘薫(ユニオンSG)に展開したシーンが最初。「この日の堂安は一味違う」という印象を与えた。

 16分にはペナルティエリア右外から敵をかわして、原口元気(ウニオン・ベルリン)の決定的シュートをお膳立てし、34分にも三笘と伊藤洋輝(シュツットガルト)の左サイドコンビのビッグチャンスを演出した。

 なかでも堂安が最も輝いたのが、42分の鎌田大地(フランクフルト)が決めたチームの2点目のシーン。山根視来(川崎)からボールを受けた瞬間、以前の彼ならムリな体勢から強引にシュートを打ちにいっていただろうが、今回はしっかりと鎌田の動きを見て、ファーサイドにラストパスを送った。これを背番号9がヘッドで押し込む。背番号21は周りがよく見えていた。
 
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