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「残りの9~10人のレベルをいかに高めるか」元代表監督トルシエが語る、森保ジャパンの欠点。W杯本大会までに必要なことは――

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年05月18日

初戦でドイツ、3戦目にスペインと当たる対戦順は実は悪くはない

トルシエ氏は、森保ジャパンでは若手の突き上げもあったが、伊東など替えの利かない選手も多く、選手層は心もとないと指摘する。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 7大会連続7度目の出場を決めた日本は、カタール・ワールドカップのグループEでドイツ、スペイン、コスタリカまたはニュージーランドの大陸間プレーオフの勝者と同居した。組分け抽選を終えて森保一監督は「目標は変わらない。ベスト8以上を目指している」と改めて公言している。

 目標を達成するには何が必要なのか。2002年の日韓ワールドカップで日本を初のベスト16に導いた元代表監督フィリップ・トルシエ氏が、森保ジャパンに提言する。

――◆――◆――

 ドイツ、スペインと同居することになった日本のグループステージの組分けを、私はポジティブに捉えています。初戦でドイツと戦い、第2戦(コスタリカまたはニュージーランドの勝者)を挟んで、最後にスペインと当たる対戦順は、実は悪くはないのです。厳しい組に入ったのは事実ですが、ドイツと初戦で戦えるこのスケジュールに、私はむしろ光明を見出しています。

 ワールドカップの初戦は、どの国も難しい戦いを強いられるもの。ドイツにとって日本戦は、国民の期待やメディアからのプレッシャーもあり、絶対に勝たなければならない試合です。当然、攻勢に出てくるはずで、スペースが生まれ、日本にカウンターのチャンスが訪れるでしょう。

 なにより今の日本代表には、ドイツのブンデスリーガでプレー経験のある選手が少なくありません。ドイツ側は彼らを警戒するでしょうし、日本の選手たちは、ドイツというネームバリューやランキングにさほど威圧されずに、堂々と自分たちのサッカーができるはずです。

 日韓ワールドカップのフランス対セネガルを思い出してみてください。初戦で大波乱を起こしたセネガルは、多くの選手がフランスのリーグでプレーし、相手を知り尽くしていました。今回の日本も、そういう点で重なります。1試合目は失うものがありませんから、思い切ってプレーしてほしいと思います。

 そこで重要になるのは、ドイツに対してどの位置からプレスをかけるか、その選択でしょう。日本は高い位置でブロックを築き、連動した組織的な動きでボールを奪いに行くことができるチームです。ドイツが相手でも、これまでの経験や、今後の徹底したトレーニングで、それは可能なはずです。
 
 ただ私は、ドイツ戦ではむしろ、相手の攻撃を受け止めて、そこからスピードに乗ったカウンターを仕掛けるほうがハマると考えています。

 高い位置でプレスをかけるには、ハイラインを維持し、ブロックをコンパクトに保つ必要があります。“トルシエジャパン”のフラット3は、常に高い位置を保っていました。それは、ディフェンスラインの3人で徹底的にトレーニングして築いたシステムがベースにあり、さらに森岡隆三がスピード対応よりもオフサイドトラップの駆け引きに秀でていたからこそ可能でした。

 今のメンバーは明らかに特徴が違うので、必ずしも全員で高い位置からプレスをかける必要はないと感じます。実際、アジア最終予選のオーストラリア戦では、最終ラインを統率する吉田麻也が、時間帯によって高い位置を取るのを嫌がる場面も見受けられました。

 また、予選を通じて、日本は常にボールを支配する戦いをしてきました。ボールを保持し、自分たちのサッカーを貫く戦いです。一方で、世界の強豪と戦うときには、その立場が逆転します。この状況は、私が指揮していた当時から20年間、大きく変化していません。

 そのため、私なら今のチームでハイプレスを仕掛けるのは望ましい選択ではないと考え、ドイツとのグループステージ初戦では、必然的に守って速攻という戦いを選択をするのではないでしょうか。

【独占動画】元日本代表監督フィリップ・トルシエが語る「日本代表への提言」
 
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