「クラブは計算間違いをした」
スタジアムのファンの熱気は、どれだけ勝敗に関わっているか?
コロナ禍を経て(収束はしていないが)、ファンの重要度は再認識されることなったと言えるだろう。
残念ながら、無観客試合はどれだけ工夫をしても味気なかった。スポーツをプレーするのはあくまで選手だが、限界を超えるような作用を起こすのはファンである証拠だったと言えるかもしれない。観客が戻ってきた試合は、確実に彩りを取り戻しつつある。
言うまでもないが、同じ条件での試合だっただけに、当時の記録や実績が過小評価されるべきではない。何より、運営努力した方々には頭が下がる。しかし、ガラガラのスタジアムで行われた試合には何かが欠けていた。
事実、ファンが戻ったことにより、勝負どころで踏ん張りを見せられるようになったし、逆に重圧を感じていつもの力が出せなくなったりしている。
プラスアルファ。それが、ファンの熱気と同義と言えるか。観衆に後押しされたチームは、間違いなく強いものだ。
【画像】まるでホーム? カンプ・ノウに大挙したフランクフルトのサポーター
コロナ禍を経て(収束はしていないが)、ファンの重要度は再認識されることなったと言えるだろう。
残念ながら、無観客試合はどれだけ工夫をしても味気なかった。スポーツをプレーするのはあくまで選手だが、限界を超えるような作用を起こすのはファンである証拠だったと言えるかもしれない。観客が戻ってきた試合は、確実に彩りを取り戻しつつある。
言うまでもないが、同じ条件での試合だっただけに、当時の記録や実績が過小評価されるべきではない。何より、運営努力した方々には頭が下がる。しかし、ガラガラのスタジアムで行われた試合には何かが欠けていた。
事実、ファンが戻ったことにより、勝負どころで踏ん張りを見せられるようになったし、逆に重圧を感じていつもの力が出せなくなったりしている。
プラスアルファ。それが、ファンの熱気と同義と言えるか。観衆に後押しされたチームは、間違いなく強いものだ。
【画像】まるでホーム? カンプ・ノウに大挙したフランクフルトのサポーター
先日、ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝で、スペインのFCバルセロナはドイツのフランクフルトと対戦している。アウェーのファーストレグは1-1で、セカンドレグでの前評判は高かった。本拠地カンプ・ノウでは数万人の後押しを受けるはずだったからだ。
ところが、バルサは不甲斐ない戦いで、0-3とリードを許すことになった。アディショナルタイムで1点差まで追いかけたが、それで精いっぱい。大会から姿を消した。
カンプ・ノウはほぼ満員だったが、約3万人がドイツ人だった。
「スタジアムの雰囲気が我々を支えるものではなかった。クラブは計算間違いをした。まるで(中立地の)決勝戦のようだった」
バルサのシャビ監督は語ったが、ホームゲームの強みは失われていた。
クラブがチケット収入に走ったことが、運の尽きだった。3万人分のチケットと引き換えに、スタジアムの雰囲気を売り渡した。その代償は大きかった。一部のバルサファンはクラブの姿勢に抗議し、試合開始後、後半途中まではスタンド席に出ることを拒否していたほどだ。
ホームの後押しを感じないバルサの選手たちは、動きが鈍かった。自慢の攻撃コンビネーションもはまらない。戦力差を考えれば、目を覆うようなもたつきを見せ、気運が高まらなかった。
一方、フランクフルトの選手たちはカンプ・ノウという聖地で、まるでホームのような声援を受けた。これにより、いつも以上の結束と高い集中力を見せ、最後まで戦った。鎌田大地も、攻守ともに質の高いパフォーマンスを見せた。
復調を見せていたバルサだが、次のリーグ戦、カディスとのホームゲームでも黒星を喫している。下位相手にお粗末な内容だった。フランクフルト戦に敗れた痛みは、しばらく引きずることになるかもしれない。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
【動画】バルサを粉砕したフランクフルトの3点目を演出!鎌田大地のアシストをチェック
【PHOTO】日本代表を応援する「美女サポーター」を厳選!
ところが、バルサは不甲斐ない戦いで、0-3とリードを許すことになった。アディショナルタイムで1点差まで追いかけたが、それで精いっぱい。大会から姿を消した。
カンプ・ノウはほぼ満員だったが、約3万人がドイツ人だった。
「スタジアムの雰囲気が我々を支えるものではなかった。クラブは計算間違いをした。まるで(中立地の)決勝戦のようだった」
バルサのシャビ監督は語ったが、ホームゲームの強みは失われていた。
クラブがチケット収入に走ったことが、運の尽きだった。3万人分のチケットと引き換えに、スタジアムの雰囲気を売り渡した。その代償は大きかった。一部のバルサファンはクラブの姿勢に抗議し、試合開始後、後半途中まではスタンド席に出ることを拒否していたほどだ。
ホームの後押しを感じないバルサの選手たちは、動きが鈍かった。自慢の攻撃コンビネーションもはまらない。戦力差を考えれば、目を覆うようなもたつきを見せ、気運が高まらなかった。
一方、フランクフルトの選手たちはカンプ・ノウという聖地で、まるでホームのような声援を受けた。これにより、いつも以上の結束と高い集中力を見せ、最後まで戦った。鎌田大地も、攻守ともに質の高いパフォーマンスを見せた。
復調を見せていたバルサだが、次のリーグ戦、カディスとのホームゲームでも黒星を喫している。下位相手にお粗末な内容だった。フランクフルト戦に敗れた痛みは、しばらく引きずることになるかもしれない。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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