ラ―ジョがバルサ相手に披露したボールホルダー徹底的に潰す戦術。一見、正解に見えるが…【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2022年01月21日

「エリア内にゾーンは存在しない」

バルサに対してボールホルダーに果敢にプレスを仕掛けたラ―ジョ。(C)Getty Images

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 サッカーは陣地、スペースの奪い合いである。しかし当然、そこには人がいて、ボールを巡った争いになる。つまり人が守る陣地での攻防を制するかどうか、が勝負の分かれ目となるのだ。

 もっとも、そこで最適解を出すのが難しい。

 昨年、FCバルセロナのロナウド・クーマンが解任される引き金となったラージョ・バジェカーノ戦は一つの例だろう。

 ラージョのアンドニ・イラオラ監督は現役時代にマルセロ・ビエルサの指導を受けた影響があるのだろう。ボールホルダーに対する守備に対し、強いこだわりを持っている。バルサ戦も、一対一のところで先制的な守備をすることによって、機先を制していた。攻守の切り替えのインテンシティも見事で、相手に自由にボールを持たせず、自分たちは容易には失っていない。

 おかげで、敵陣でセルヒオ・ブスケッツからボールを奪い返し、鮮やかなまでのショートカウンターを決めている。

【動画】ブスケッツからボールを奪取し、ファルカオがゴラッソ!狙い通りにバルサを葬ったラージョの決勝弾

 ラージョが信奉していたのは、ボールホルダーという拠点を潰す戦い方だった。それは一つの成果を出した。人に対しての局面の攻防で互角以上に戦うことで、大局での勝利にもつながった。

 ただし、正解に見えるプレーも表裏一体である。
 
 ボールホルダーへの守備が強すぎると、持ち場を離れざるを得ないことによって、スペースも空きやすい。バルサ戦、ラージョはボランチがサイドまで釣り出されてしまい、しばしば中央に危ういパスを通されていた。そこをバルサの若手MFニコ・ゴンサレスに侵入され、たびたび後手に回った。試合を進める中、それぞれが持ち場をうまく分担することで、どうにか1-0で逃げ切ったわけだが…。

 ラージョは何度か陣地を失い、一敗地にまみれても不思議ではなかったと言えるだろう。一つたしかなのは、スペースを守るにせよ、人に対して守るにせよ、サッカーでは臨機応変な判断が必要になるということだ。

 例えばゾーンディフェンスとは言っても、持ち場を守れば“それでよし”とはいかない。「エリア内にゾーンは存在しない」とも言われ、「セットプレーを含めて、エリア内での守備はマークすべき相手を失ってはならない」というのが常道である。たとえゾーンで守ると決めていても、自分の持ち場に入った人には厳しく付くべきなのだ。

 その一方、たとえボールホルダーという拠点を封じ込め、制したと思っても、そこからの判断やプレーの質が欠かせない。自分たちがボールを失い、一転して守勢に回った場合、裏返しにされ、一瞬で不利になる。それを阻むために、ポジショニングやプレー強度がその都度、試されることになる。

 その攻防はほとんど永遠に続くのだ。

文●小宮良之

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