第100回全国高校サッカー選手権は１月４日、等々力陸上競技場とフクダ電子アリーナで準々決勝４試合が開催。青森山田、大津、関東一、高川学園がそれぞれ勝利し、聖地・国立競技場で行なわれる準決勝へと駒を進めた。

　等々力陸上競技場の第１試合では、インターハイ王者の青森山田に同８強の東山が挑んだ。夏の対戦では前半で３点を奪われ、２-５で敗れた東山だが、王者を相手に堂々の試合運びを見せる。序盤、青森山田の攻勢を凌ぐと前半16分、左からのクロスをDF夘田が頭で押し込みネットを揺らした。東山が先制点をもぎ取る。

　今大会初めて先制を許した青森山田だが、強度の高い守備で主導権を譲り渡さない。前半終了間際には、相手のハンドで得たPKをキャプテンのMF松木が相手GKの反応に遭いながらもねじ込み、同点に追いつく。さらに、後半立ち上がりに攻勢に出た青森山田は13分、FW渡邊が勝ち越しの一発。個々の技術が高い東山に押し込まれる場面もあったが、巧みな試合運びで決定打を許さない。このまま青森山田が１点差で逃げ切り、４大会連続のベスト４進出で国立行きを決めた。

　初の選手権４強を決めたのが熊本の雄、大津だ。前橋育英との一戦は立ち上がりから押し込まれる展開となったが、一瞬の隙を突いて先制。前半10分、右サイドで味方との連携から抜け出したFW一村が、思い切りよく右足を振り抜いてネットを揺らした。その後はタイガー軍団の細かなパス回しに苦戦するも、粘り強く守り切って前半を折り返す。

　後半も前橋育英にペースを握られる展開。FW守屋に前線で巧みにボールを収められ、ピンチを迎える場面もあったが、ボランチの薬師田を最終ラインに組み込んで対峙する。チーム一丸となって身体を張り、最後まで無失点に抑えた大津が１-０で逃げ切った。
 

　２年ぶりの優勝を狙う静岡学園と、初の８強入りを果たした関東一の対戦は、序盤こそ五分五分だったものの、徐々に前者が押し込む展開となる。前半16分に清水入団内定のMF川谷が左足でシュートを放つが、GK笠島に防がれる。その後も徹底したサイドアタックを繰り出した静岡の雄がついにゴールをこじ開けたのは、後半20分だった。左サイドからＭＦ古川が上げたクロスを、途中投入されたばかりのFW持山がヘッドで落とし、後ろから走り込んできたMF小泉が右足でネットを揺らした。

　これで勝負は決したかに思われたが、終盤にドラマが待っていた。後半40分、関東一は左サイドからＭＦ日下が送り込んだグラウンダーのクロスを途中出場のFW坂井がねじ込み、今大会ここまで無失点だった静岡学園から劇的な同点ゴールを奪う。１‐１で突入したPK戦では、静岡学園の２、３人目が続けて失敗。４人が決めた関東一が４‐３で勝利し、優勝候補を破って初のベスト４進出を決めた。