選手権は県大会1回戦敗退…Jユースも有名強豪校も選ばなかった無名の高校生GKがJリーガーの夢を掴むまで

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2021年12月28日

中学1年で本格的にサッカーを始め、高校時代には目立った実績はなし

来季の大宮入りが内定した狭山ヶ丘高3年のGK若林。写真提供:狭山ヶ丘高

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 人生は分からない。小学校の頃からブレイクダンスに興じ、本格的にサッカーを始めたのは中学1年生の時。「サッカー選手になれたらいいな」という軽い気持ちでしか、当時は自分の未来を描いていなかった。しかし、陽の当たらない場所で地道に努力を重ねてきた男は自らの力でプロ入りを勝ち取った。
 
 12月22日、大宮アルディージャが狭山ヶ丘に籍を置くGK若林学歩(3年)の入団内定を発表した。恐らく、ほとんどの人がその名を知らなかったに違いない。昨季までは控えGKで、レギュラーとして挑んだ今冬の高校サッカー選手権も県大会の1回戦で敗退。今年の10月中旬に早生まれの恩恵を受けてU-17日本代表候補に選出されているが、高校時代に目立った活躍を見せていない。しかし、持っているポテンシャルは底知れないモノがある。ガーナ人の父から譲り受けた195cmのサイズはもちろん、ダンスで培ったしなやかなさ、類まれな身体能力は一級品。さらに今年に入ってパワーも備わり、ハイボールの処理が安定し、キックも飛ぶようになった。

 何故、彼は狭山ヶ丘を選び、プロ入りを勝ち取るまでに成長を遂げたのか。

 話は今から5年前まで遡る。大宮で育成コーチを務めていた経歴を持つOBの西澤正仁監督と若林の出会いは偶然だった。西澤監督は中学サッカー部の情報をネットで見ていると、若林の名前に目が止まったという。当時の若林はGKを始めてまだ間もない頃で、実績がない。しかし、中学生離れした身長を持つ選手に興味を持ち、西澤監督は学校に足を運んだ。そこでチームにGKコーチがいないことを知り、なんとかして専門的なトレーニングを受けさせたいと考えた。ただ、あくまでそれは勧誘ではない。選手の成長を願ってのことで、中学卒業後に別のチームを選んでも構わないという心持ち。サッカーだけではなく、苦手だった勉強を学校で教えたのも、そうした想いがあったからだった。

 そうした西澤監督の熱量に心を動かされた若林は練習を重ねるが、進路を決断する時がやってくる。東京都トレセンに選ばれるまでに成長を遂げていた若林の下には都内の有力校も注目し、Jクラブの育成組織も興味を示していた。実際にJクラブのセレクションで合格をもらっており、将来を考えればJユースを選んでもおかしくない。しかし、若林はスタッフの想いやチームの雰囲気を見て、土のグラウンドしか持たない狭山ヶ丘への進学を決めた。

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