ブンデスリーガのフランクフルトに所属する長谷部誠は、37歳にしてドイツの第一線で戦い続けている。

　クラブとの契約は2022年６月末までとなっており、その時点でスパイクを脱ぎ、アンバサダーに就任する見通しだ。

　しかし、１月に38歳を迎えるベテラン戦士に対して、現地紙『Frankfurter Allgemeine Zeitung』のラルフ・ウェイブレヒト記者は「彼のような真のプロを、チームはまだ必要としているのではないだろうか」と綴り、現役引退に疑問を抱いているようだ。

「彼は魅力的な人物で、根っからのお手本だ。長谷部誠との会話は有益で、爽やかで、元気が出る。試合で日本人が活躍する姿を見るのは楽しい。もうすぐ38歳になるプロフェッショナルは、毎週、毎試合、自分のベストパフォーマンスを発揮している。ただそれだけのことだ…。

　オリバー・グラスナー監督は長谷部の重要性を理解し、直近８日間に行なわれた３試合ですべて先発起用している。その期待を彼が裏切ったことはない。このリベロは広い視野を持ち、素早くダイレクトな展開を引き出す最高の選手のひとりだった」

　記事によれば、長谷部は月曜日のトレーニングを終えた後に記者たちの取材に応じる機会があり、８日間で３試合をこなしたことを尋ねられると、「いい気分だった」と答える余裕を見せたという。

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「今でも彼をフランクフルトの選手兼コーチとみている人は多いだろう。それは彼にとっても気に入った見方のようだ。長谷部はすでにドイツ・サッカー協会（DFB）の指導者コースを受講している。しかし、まだ現役選手であるという自覚もある。

　今のところ、長谷部は今シーズンのブンデスリーガ終了後にスパイクを脱ぎ、アンバサダーとしての役割に専念するようだ。だが、現時点では、そのような形で彼を送り出すことは間違いだと思える。彼自身もまだやれるという気持ちはあるはずだ。記者との談話で彼は、『３月か４月に（マルクス・クロシェ）SDと話をしたいと思っている』と語った」

　そう綴ったウェイブレヒト記者は、「ここ数週間で好調なチームを支えているのは彼であり、３バックで両翼を担うトゥタや（エバン・）エヌディカも良い。今週末の試合には（マルティン・）ヒンターエッガ―が復帰するため、37歳のベテランは先発から外れるかもしれない。それでも、チームには長谷部のような専門家が必要だ」とその重要性を指摘している。

　果たして長谷部は今シーズン限りで現役を引退するのか、それとも続けるのか。日本のみならず、ドイツでもその動向が注目されているのは間違いない。

　リーグ戦３連勝とようやく調子が上向いているフランクフルトが週末に対峙するのは、リーグ５位と好調なホッフェンハイムだ。長谷部の継続起用があるのか、注目が集まる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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