ロメロの心理を読み切って、A・サンチェスが逆を突く。
【コパ・アメリカ2015】
決勝
○チリ 0-0(4PK1) ●アルゼンチン
【PK戦】
チリ(先攻)|アルゼンチン(後攻)
【1】M・フェルナンデス○|メッシ○
【2】ビダル○|イグアイン×
【3】アランギス○|バネガ×
【4】A・サンチェス○
120分の死闘でも決着がつかなかったファイナルは、PK戦の末に開催国チリに凱歌が上がった。チリにとっては1916年の大会創設以来、初の戴冠。百年の夢が結実したチリはいま、信じられない高揚感に包まれている。
現地取材記者が厳選!【大会ベストイレブン】
チリはすべてを出し尽した。
PK戦では巨漢ロメロのプレッシャーにさらされながらも、M・フェルナンデス、ビダル、アランギスが隅の隅を確実に撃ち抜いていく。
勝利のキックを託された4人目のA・サンチェスは、それまでの3人とは打って変わって、タイミングを一拍外してロメロの跳んだ逆に緩いゴロを転がす。チリ国民は一瞬、狐につままれた気分になっただろう。そしてボールがゆっくりとネットを揺るがした瞬間、スタジアムとチリが爆発した。
サンチェスの大胆なシュートは、PK戦の流れを冷静に見極めていたからこそ生まれた。
チリは3人目までが思い切って隅に突き刺したが、ロメロも完全に読み切っていた。あと少しで手が届く、という思いが守護神の跳躍のタイミングを微妙に早めていく。その心理を読み切って、A・サンチェスは逆を突いたのだ。
PK戦のチリは勇敢で冷静で、そして大胆だった。それは120分の戦いにも当てはまる。
彼らは序盤から素早くパスをつなぎ、四方八方から味方が湧き出すチリ流の攻撃サッカーを繰り広げた。巷ではアルゼンチン有利という声も多かったが、心理的に守りに入らず、自分たちのいいところを堂々と押し出した。
いまのアルゼンチンを相手に撃ち合いを挑むというのは、なかなかできることではない。このあたりのサンパオリ監督の手綱さばきは称賛に値する。
一生に一度のゲームに、チリの選手たちは存分に自分たちを表現した。
アランギスは至るところに出没し、次々とボールを狩り獲った。イスラは超人的なスタミナで右サイドを駆け上がる。不振が取り沙汰されたA・サンチェスは、アルゼンチンの名手を相手に何度も深い切り返しを決めた。
そしてビダルは「キング」の称号にふさわしい、絶大な存在感を示した。膝を激しくぶつけながらも、疲れた表情をほとんど見せなかった。やはり、キングだった。
そして、この試合のMVPは何といっても守護神ブラーボだろう。チリ守備陣はカウンターやセットプレーから、しばしばゴールを脅かされたが、巧みなポジショニングと鋭い反応でゴールに鍵を掛け続けた。PK戦も含めて、文句のつけようがない働きだった。
決勝
○チリ 0-0(4PK1) ●アルゼンチン
【PK戦】
チリ(先攻)|アルゼンチン(後攻)
【1】M・フェルナンデス○|メッシ○
【2】ビダル○|イグアイン×
【3】アランギス○|バネガ×
【4】A・サンチェス○
120分の死闘でも決着がつかなかったファイナルは、PK戦の末に開催国チリに凱歌が上がった。チリにとっては1916年の大会創設以来、初の戴冠。百年の夢が結実したチリはいま、信じられない高揚感に包まれている。
現地取材記者が厳選!【大会ベストイレブン】
チリはすべてを出し尽した。
PK戦では巨漢ロメロのプレッシャーにさらされながらも、M・フェルナンデス、ビダル、アランギスが隅の隅を確実に撃ち抜いていく。
勝利のキックを託された4人目のA・サンチェスは、それまでの3人とは打って変わって、タイミングを一拍外してロメロの跳んだ逆に緩いゴロを転がす。チリ国民は一瞬、狐につままれた気分になっただろう。そしてボールがゆっくりとネットを揺るがした瞬間、スタジアムとチリが爆発した。
サンチェスの大胆なシュートは、PK戦の流れを冷静に見極めていたからこそ生まれた。
チリは3人目までが思い切って隅に突き刺したが、ロメロも完全に読み切っていた。あと少しで手が届く、という思いが守護神の跳躍のタイミングを微妙に早めていく。その心理を読み切って、A・サンチェスは逆を突いたのだ。
PK戦のチリは勇敢で冷静で、そして大胆だった。それは120分の戦いにも当てはまる。
彼らは序盤から素早くパスをつなぎ、四方八方から味方が湧き出すチリ流の攻撃サッカーを繰り広げた。巷ではアルゼンチン有利という声も多かったが、心理的に守りに入らず、自分たちのいいところを堂々と押し出した。
いまのアルゼンチンを相手に撃ち合いを挑むというのは、なかなかできることではない。このあたりのサンパオリ監督の手綱さばきは称賛に値する。
一生に一度のゲームに、チリの選手たちは存分に自分たちを表現した。
アランギスは至るところに出没し、次々とボールを狩り獲った。イスラは超人的なスタミナで右サイドを駆け上がる。不振が取り沙汰されたA・サンチェスは、アルゼンチンの名手を相手に何度も深い切り返しを決めた。
そしてビダルは「キング」の称号にふさわしい、絶大な存在感を示した。膝を激しくぶつけながらも、疲れた表情をほとんど見せなかった。やはり、キングだった。
そして、この試合のMVPは何といっても守護神ブラーボだろう。チリ守備陣はカウンターやセットプレーから、しばしばゴールを脅かされたが、巧みなポジショニングと鋭い反応でゴールに鍵を掛け続けた。PK戦も含めて、文句のつけようがない働きだった。
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