中村が日本代表に必要だと感じているもの。それは、「絶対的なエースFWの存在」である。
攻め込みながらも1得点に留まり、逆転負けとなったボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦。その翌日の練習後、中村憲剛に聞くと、こんな答えが返ってきた。
「ハリルホジッチ監督が、なにを求めているかだと思います。オカ(岡崎慎司)を1トップにしていますけど、彼にロングボールを集めて、そこに頼るようなサッカーをするというわけじゃないですよね」
まず指揮官が求めているサッカーありきでFW像も考えるべきというのが、中村のスタンスである。現状のファーストチョイスである岡崎の能力と実績に疑いはないが、ピッチで展開されているサッカーでは彼の得点力を生かし切れているとは言い難い側面もある。
ならば、彼の1トップにこだわる必要もないのではないかと口にする。
「例えば、ボスニアの1トップだったジュリッチのようなタイプは日本にいないですよね。一人で立ち向かえるFWはなかなかいない。だったら意外と2トップのほうが良いんじゃないですか。オカだって、レスターではバーディーとの2トップを組んでいるんだから」
そうした組み合わせや配置に関しては、ハリルホジッチ監督が吟味していく仕事になるだろう。ただそういった議論を超えて、今後、世界と戦っていく上でチームに中村自身が日本代表に必要だと感じているものがある。それが、「絶対的なエースFWの存在」である。
「今の代表はまんべんなく点が取れるチームと言えるかもしれないですけど、苦しい時に頼れるエースがいないですよね。(ボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦のような)競った試合になると、『誰が点を取るの?』という状態になってしまった。カードが豊富すぎて、絶対的な選手がいないことで難しくなっているのだと思います」
7得点を奪ったブルガリア代表戦で複数得点を挙げたのは、MFの香川真司とCBの吉田麻也である。攻撃のバリエーションが豊富になるに越したことはないが、それはしっかりとした軸があってこその話でもある。
続くボスニア戦では、手詰まりになった時間帯が続くと、点がほしい時に頼るべき存在が見当たらなかった。それゆえに中村は、前線の主役の必要性を訴えるのである。
Facebookでコメント
-
ワールドサッカーダイジェスト増刊
4月20日発売 2018ロシア・ワールドカップ
観戦ガイド
初心者も上級者も楽しめる
デイリーガイド&選手名鑑! -
ワールドサッカーダイジェスト増刊
3月22日発売 ロシアW杯・出場32か国
戦術&キープレーヤー
完全ガイド
選手名鑑付き! -
サッカーダイジェスト4月26日号
4月12日発売 2018年シーズン J1リーグ
スキル別最新ランキング
絶好調の広島&山口を大特集!
インタビューは伊東純也が登場 -
ワールドサッカーダイジェスト
4月19日発売 「データ」で読み解く
チャンピオンズ・リーグと夏の移籍
欧州4強大解剖
メガ「ポジション別・需要と供給」 -
高校サッカーダイジェスト Vol.23
1月12日発売 第96回高校選手権
決戦速報号
前橋育英が初優勝!
全47試合を完全網羅