スコットランド1部のセルティックが、東京五輪代表DFの板倉滉を今夏の獲得候補にリストアップしている――。現地紙『Daily Record』が6月28日付けでそう報じた。
横浜F・マリノスを率いていたアンジェ・ポステコグルーが新監督に就任したセルティックは昨シーズン、リーグ9連覇を宿敵レンジャーズに阻まれた。タイトル奪回を狙うために補強が必要とされている。そのうちのひとつがCBで、マンチェスター・シティが保有する板倉が「獲得候補リストの上位にいる」という。
同紙はさらに7月1日付けで、「コウ・イタクラはステップアップの準備は整っている。だが、フローニンヘンの関係者はフィルジル・ファン・ダイクとの比較にはまだ早いと考えているようだ」と伝えている。
オランダ代表のDFファン・ダイクの名前が挙がっているのは、2013年夏に同じくフローニンヘンからセルティックに加入したからだ。2シーズンをセルティックで過ごしたのち、15年にプレミアリーグのサウサンプトンに移籍。18年1月にはリバプールに引き抜かれ、いまや世界最高峰のCBとなった。
「昨シーズンはクラブのベストDFになった」と称賛
こうした経歴から、現地では板倉に「第2のファン・ダイクになるのでは」と大きな期待が寄せられているという。だが、フローニンヘンOBであるヤン・メネガ氏は、同紙に対して「その比較はまだふさわしくない」とコメントした。
「板倉は2年間、フローニンヘンでプレーした。正直、最初は問題を抱えていたが、しばらくするとどんどん良くなって、昨シーズンはクラブのベストDFになった。私もずっと見ているが、ボールの受け渡しがうまいし、守備もうまい。彼の強みは、ゲームを先読みし、自分がそのなかでどうすべきかということを考え、ビルドアップにも貢献できる点だ。
一方で、激しいデュエルに勝ち、蹴散らすようなDFではないことも確かだ。ファン・ダイクはすでにセルティックに入るときには、今ほどではないが、完成されたプレーヤーだった。板倉はまだそのレベルには達していない」
そう指摘した一方で、「日本の選手は指導しやすいといわれている。常に監督に求められることを忠実にこなす準備ができていて、指示にも素直に従う。ポステコグルーはそうした特徴もきちんと把握しているだろう」とし、このように語っている。
「いろいろと述べたが、板倉はセルティックが必要とするレベルまで達していることも確かで、ステップアップには何も不十分な点はない。移籍を予測することは不可能だが、彼には可能性があり、正しい方法で成長していることは保証できる。加入後、少々時間が必要になるとは思うが、移籍が成立したら、彼のプレーを見ることを楽しみにしている」
OBからも太鼓判を押された板倉。果たして、偉大なる先輩の軌跡をなぞるステップアップは成立するのか、今後の動向が注目される。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部