鹿島を今季初の無失点に導いた相馬監督の綿密なアプローチ。ポイントは「優先順位」

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2021年04月20日

「選手たちの理解力、応用力は凄い」

相馬新監督の初陣となった徳島戦は1-0で勝利。わずかな準備期間でチームに勝点3をもたらしたその手腕は見事だった。(C)KASHIMA ANTLERS

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 就任からわずか2日間の準備期間で、見事な手腕を発揮した。

 J1の鹿島アントラーズは成績不振を理由に、4月14日にザーゴ前監督との契約を解除。後任には相馬直樹コーチが就いた。

 3日後にはJ1リーグ第10節のアウェー徳島ヴォルティス戦が控えていた。新監督は「今やれること、まず見つめなければならない課題にフォーカスしなければならない」と話し、チームの指導にあたった。そして迎えた徳島戦は1-0の完封勝利。31分に永戸勝也のCKを町田浩樹が打点の高いヘッドでゴールにぶちこむ。この1点を守り切ってみせた。リーグ戦でのクリーンシートは今季初だった。

「たくさんのことはできなかった。そのなかで一番整備すべき部分に手をつけて、勝つにはそれこそ、そこがストロングにならないと意味がないので」

 まずは守備の部分を整理したという。ポイントは「優先順位」だ。

「なにを優先するかの判断がまちまちになってしまっていて、下がりたいのに前は行ってしまうこともそうでしょうし、人を抑えたいのに、人を抑えるから今度はスペースが空いて、でもそのスペースは埋まっていないとか。そういう優先順位のところが少し、整理されていなかったのではないかと感じさせる部分があったので」

 相馬監督のそのアプローチによって、チームはさっそく結果を出してみせた。「徳島戦の中でもすべてが上手くいっていたわけではない」と分析する一方で、「こっちが提示して、やってもらったのが正直なところで、本番で一発でやってくれた選手たちの理解力、応用力は凄い」と称える。
 
 いずれにしても、新体制の鹿島が幸先の良いスタートを切ったのは間違いない。守備面の改良が見られた徳島戦について、「この場合はどうする、どうするっていうのも当然たくさん出ていました。ただそこは今後、コミュニケーションなどいろんなフィードバックを含めて、より良くしていかなければいけない」と語る相馬監督は、こう続ける。

「ひとつこれを自分たちの武器と思えるぐらいになってくれば、攻撃に向けての上積みになるかと思っています」

 綿密かつ熱意あるチーム作りを進める相馬アントラーズのさらなる巻き返しに期待したい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)

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