３月25日に日産スタジアムで韓国代表との親善試合、同30日にはフクダ電子アリーナでのカタール・ワールドカップ・アジア２次予選のモンゴル戦を控える日本代表は、18日、23人のメンバーを発表した。新型コロナウイルスの影響もあり招集が叶わなかった欧州組がいるなか、森保監督は江坂（柏）、原川、坂元（ともにC大阪）、川辺（広島）、山根（川崎）、中谷（名古屋）、小川（FC東京）、前川（神戸）と８人を初招集。

　３月26日（味の素スタジアム）、29日（ミクニワールドスタジアム北九州）にアルゼンチンU-24代表と対戦するU-24日本代表ともに、今回は特例措置の下で試合を開催。一般の人との接触を避け、徹底した検査を実施、ホテルなどで“海外組”と“国内組”を隔離するなど、様々な方策が取られるなか、海外組も従来の14日間の待機期間を取らずに試合出場が可能となっている。ただし、入国後３日間の検査が義務付けられており、帰国のタイミングも、起用法に影響を与えそうだ。

　ここでは森保ジャパンが主に採用する４バックで序列を考察してみた。

【GK】
◎権田修一（ポルティモネンセ／ポルトガル）
△西川周作（浦和）
△前川黛也（神戸）★

◎＝レギュラー候補　〇＝有力　△＝バックアッパー
★＝A代表初招集

　GKは常連の権田、約３年４か月ぶりのA代表復帰で森保ジャパンには初参加の西川、初招集の前川の３人がエントリー。今冬、ポルティモネンセから国内復帰した権田は清水で安定したプレーを見せており、彼が序列の一番手で固いだろう。ただ経験豊富な西川、父・和也氏に続いて親子でのA代表入りを果たした前川はともに足もとの技術に長け、指揮官の求める要素を備えている。チャンスが訪れるかもしれない。

【日本代表PHOTO】韓国、モンゴル戦に臨む招集メンバー23人
 

【CB】
◎吉田麻也（サンプドリア／イタリア）
◎冨安健洋（ボローニャ／イタリア）
△畠中槙之輔（横浜）
△中谷進之介（名古屋）★

◎＝レギュラー候補　〇＝有力　△＝バックアッパー
★＝A代表初招集

　CBは“鉄板コンビ”吉田と冨安を引き続き招集。冨安は３月24日と29日に国内でアルゼンチンＵ-24と対戦する東京オリンピックチームに回る可能性もあったが、指揮官は最終ラインの軸として信頼を置く。もっとも、日本時間21日の23時にセリアAの試合を控えている吉田は、25日の日韓戦にエントリーが可能となる22日までの帰国が不透明な状況。となると、日韓戦は、冨安の相棒をA代表では７試合に出場している畠中か、初招集の中谷が務める可能性がある。

　注目は好調・名古屋の堅守を支える中谷だろう。マッシモ・フィッカデンティ監督の下で守備戦術の理解度を増し、最終ラインからのつなぎにも成長の跡が窺える。国際舞台でどれだけやれるのか見てみたい人材である。

　【SB】
〇佐々木翔（広島）
〇松原　健（横浜）
〇山根視来（川崎）★
〇小川諒也（FC東京）★

◎＝レギュラー候補　〇＝有力　△＝バックアッパー
★＝A代表初招集

　長友、酒井のフランス勢を招集できなかった今回は、現時点でSBにカウントされるのは国内組の４人だろう。楽しみなのは、リーグ王者・川崎で不動の右SBとなった山根である。攻め上がりのタイミングやコース、足もとの技術を伸ばし、今季はすでに３アシストをマークするなどクロス精度も向上。スタメン出場で初キャップを刻んでも驚きはない好調ぶりである。ただし右SBには横浜で状態の良さを見せる松原も控えている。

　左SBは指揮官の広島時代の教え子で、森保ジャパンにも幾度も名を連ねる佐々木が、経験値を鑑みれば一歩リードか。ここに貴重な左利きの左SBである小川が挑むことになりそうだ。