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プロ分析官が注目の『川崎×鹿島』を徹底展望! 両チームCBのパフォーマンスが命運を分ける!?

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年05月29日

鹿島の敵陣での攻撃vs川崎の自陣での守備

鹿島が敵陣でボールを保持している際のマッチアップ図。

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 川崎は、湘南戦と横浜FC戦での後半の修正ができるかどうか。横浜FC戦は相手が最初は4-4-2でしたが、後半から5-4-1に変更してから、2シャドーを捕まえ切れず押し込まれるシーンが増えてしまいました。それは、5-3-2システムを使用した湘南相手の試合でも多少見られました。

 その理由として川崎は、この図の上の赤いスペースに相手に入られたとき、誰がマークをつくのかがはっきりしないこと。これは4-3-3のシステム上、ほぼ起きることなのですが、鹿島はこのエリアを使うのがとてもうまいチームなので、注意すべきポイントになってきます。

 鹿島は明らかにこのエリアを使うチームなので、どう修正して試合に入れるかどうか。単純に考えれば、インサイドハーフの旗手選手や田中選手が下がればいいだけだと思われるかもしれませんが、そうするとこの図のように、三竿選手とL・シルバ選手がフリーになってしまう。彼らから縦パスが入って、松村選手、荒木遼太郎選手と繋がって、サイドを変えられるというシーンがあった時、鹿島の両サイドバックはかなり高い位置取りをしてきます。この流れで、永戸勝也選手や常本選手が敵陣深くから鋭いクロスを入れてチャンスを作る場面は過去の試合でもありました。

 川崎はインサイドハーフが前からプレスをかけたいけど後ろを使われたくない。後ろを使われたくないから下がると、今度はボールホルダーにいけないというジレンマをどうやって解決するのか。解決策のひとつは、CBが前に出て行って相手を潰すこと。ただ、もしこの図の時に、ボールホルダーの荒木選手にCBの谷口選手がプレスをかけた際、土居聖真選手が斜めに走って、そこにスルーパスを通される可能性もある。一番使われたくないのは背後なので、そこをどうケアするのかです。

 敵陣でボールを保持した際の鹿島は、基本的に攻撃の仕方はどの試合も同じ。両サイドハーフが中に入ってきて中央に人数をかけ、ワイドのスペースはサイドバックが突く狙いがある。問題はそこで、中央パスを繋いでどれだけ両サイドバックが高い位置を取る時間を作れるかです。

 また鹿島の攻撃時、CBの役割として非常に重要なのはリスクマネージメント。川崎のカウンターにも注意しなければいけないので、なるべく相手の陣地内でボール保持をしたいのであれば、どれだけ川崎の3トップをマーキングできるか。守備を考えた時に重要なのはCBの立ち位置です。

 2人のCBに対して、もし川崎の3トップが前線に残っているのだとしたら数的不利になります。そこで両サイドバックがともに高い位置を取るのはかなりのリスクがある。もしかすると、ボランチの三竿選手が残って3人で守備対応する可能性もありますが、鹿島は攻撃の際に、同時に守備も考えながらやる必要があります。ここでも、CBのパフォーマンスが試されますね。
 

Jリーグ優勝クラブで活動していたアナリストの杉崎健氏。Twitter(https://twitter.com/suzakken)やオンラインサロン(https://community.camp-fire.jp/projects/view/356767)などでも活動中。

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【著者プロフィール】
杉崎健(すぎざき・けん)/1983年6月9日、東京都生まれ。Jリーグの各クラブで分析を担当。2017年から2020年までは、横浜F・マリノスで、アンジェ・ポステコグルー監督の右腕として、チームや対戦相手を分析するアナリストを務め、2019年にクラブの15年ぶりとなるJ1リーグ制覇にも大きく貢献。現在は「日本代表のW杯優勝をサポートする」という目標を定め、プロのサッカーアナリストとして活躍している。Twitterやオンラインサロンなどでも活動中。

◇主な来歴
ヴィッセル神戸:分析担当(2014~15年)
ベガルタ仙台:分析担当(2016年)
横浜F・マリノス:アナリスト(2017年~20年)

◇主な実績
2017年:天皇杯・準優勝 
2018年:ルヴァンカップ・準優勝 
2019年:J1リーグ優勝
 
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