ラファエル・シルバを獲得し、矢島が復帰。鹿島にホームで負けることは、許されない。

新潟から加入するラファエル・シルバ。CFでも、シャドーでも起用が見込める。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

矢島は厳しいチーム内の競争のなか、まずレギュラー争いに食い込みたい。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)
来季に向けて、新潟のラファエル・シルバの加入が発表され、岡山に期限付き移籍していた矢島の復帰も確定。昨季加入した直後に千葉へレンタルしていた長澤も、初めて浦和のユニホームを着ることが決まっている。
ラファエル・シルバは、センターフォワードでも、シャドーでも起用できそうで、その起用法が注目される。開幕からACLとJリーグの連戦が続くだけに、キャンプ中からハマれば、スタートダッシュにも成功できるはずだ。彼の加入が相乗効果をもたらし、前線が爆発する――というのが理想だ。
一方、DF陣は福岡の田村の獲得が決定。復帰濃厚だった岡本は、結局レンタル延長が発表された。前線と守備陣の選手層の差が大きい印象は拭えない。
また、今回のシーズンの悲劇的な幕切れにより、新戦力の思い切った選手起用が難しくなった側面もある。これまで以上に「結果」が求められるため、指揮官が信頼できるタレントをより重宝することもあり得る。
ここ数年、関根、高木、駒井、青木らがミシャスタイルに順応することで、出場機会を得てきた。徐々に主力の入れ替えを緩やかに進めてきた指揮官には、その流れを止めずに勝ち続けるという、難しい「両立」が求められる。
あとは、ホームで鹿島に負けないこと――。16年は、結局、リーグ戦とCSの2試合とも埼スタで敗れた(アウェーのリーグ戦は勝っているが)。
2016年を振り返ると、ホームでは同じくCSに進出した川崎にも敗れている。というか、何年も、大観衆の声援を味方にできずにいるのだ。
松本の反町監督はこんな興味深いことを言っていたことがある。
「大きな試合になると、選手は入場時に一度アドレナリンが放出される。そこから、いかにしてもう一度高めるのか。または、そこでアドレナリンを抑えさせるか。試合開始時に集中力がピークになる方法についても、我々はマネジメントしなければならない」
本当にそんなことできるのか? とは思う。ただ、スタジアムの規模もシチュエーションも異なるとはいえ、今季の松本の戦いぶりを見ていると説得力はある。
それはあくまでも一例にすぎない。むしろ、すでに対策は練っていると言われるかもしれない。ただ、浦和は「自分たち」に対し自信を深めようとするだけでなく、もう少し、色々な意見や考えについても触れ、自分たちなりに咀嚼して取り入れていっても良いのかもしれない。周囲に強気な姿勢を示すのも大切だが、頂点に立ち続けるには周囲の変化を察する洞察力や謙虚さも必要だ。
文:塚越始(サッカーダイジェスト編集部)
ラファエル・シルバは、センターフォワードでも、シャドーでも起用できそうで、その起用法が注目される。開幕からACLとJリーグの連戦が続くだけに、キャンプ中からハマれば、スタートダッシュにも成功できるはずだ。彼の加入が相乗効果をもたらし、前線が爆発する――というのが理想だ。
一方、DF陣は福岡の田村の獲得が決定。復帰濃厚だった岡本は、結局レンタル延長が発表された。前線と守備陣の選手層の差が大きい印象は拭えない。
また、今回のシーズンの悲劇的な幕切れにより、新戦力の思い切った選手起用が難しくなった側面もある。これまで以上に「結果」が求められるため、指揮官が信頼できるタレントをより重宝することもあり得る。
ここ数年、関根、高木、駒井、青木らがミシャスタイルに順応することで、出場機会を得てきた。徐々に主力の入れ替えを緩やかに進めてきた指揮官には、その流れを止めずに勝ち続けるという、難しい「両立」が求められる。
あとは、ホームで鹿島に負けないこと――。16年は、結局、リーグ戦とCSの2試合とも埼スタで敗れた(アウェーのリーグ戦は勝っているが)。
2016年を振り返ると、ホームでは同じくCSに進出した川崎にも敗れている。というか、何年も、大観衆の声援を味方にできずにいるのだ。
松本の反町監督はこんな興味深いことを言っていたことがある。
「大きな試合になると、選手は入場時に一度アドレナリンが放出される。そこから、いかにしてもう一度高めるのか。または、そこでアドレナリンを抑えさせるか。試合開始時に集中力がピークになる方法についても、我々はマネジメントしなければならない」
本当にそんなことできるのか? とは思う。ただ、スタジアムの規模もシチュエーションも異なるとはいえ、今季の松本の戦いぶりを見ていると説得力はある。
それはあくまでも一例にすぎない。むしろ、すでに対策は練っていると言われるかもしれない。ただ、浦和は「自分たち」に対し自信を深めようとするだけでなく、もう少し、色々な意見や考えについても触れ、自分たちなりに咀嚼して取り入れていっても良いのかもしれない。周囲に強気な姿勢を示すのも大切だが、頂点に立ち続けるには周囲の変化を察する洞察力や謙虚さも必要だ。
文:塚越始(サッカーダイジェスト編集部)