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【浦和総括&展望】「最高」で「最悪」のシーズンに。尾を引きそうなラスト10分の慌てぶり

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年12月26日

今季ゴールが最も多かった時間帯はラスト15分。川崎に敗れて封印したはずのパワープレーを、なぜ採用したのか?

ACLの浦項戦で、ピッチにテーピングを捨てた行為に対して西川らが激怒。今季も色々な出来事があり、それらを糧にして辿り着いた、チャンピオンシップ決勝の舞台だったが……。(C)SOCCER DIGEST

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 浦和が今季、最も多くゴールを挙げている時間帯が、最後の15分間(76分~試合終了まで)だった。15分間+アディショナルタイムで、16ゴールを決めている。2番目に多かったのが、31分から前半終了までの12ゴールだった。
 
 CS決勝・鹿島との第2戦、興梠の会心のボレー弾で先制したものの、金崎に前半終了間際にヘディング弾で同点とされ、そして“逆転”となるPKを決められてしまう。金崎のPKによる2点目が決まったのは、79分だった。
 
 確かに浦和は窮地に追い込まれた。
 
 一方で、10分+アディショナルタイムがある。終盤にゴールを奪ってきた浦和の真骨頂を試される状況に置かれたわけだ。1点をとって追い付けば、優勝できる。
 
 試合後、鹿島の選手たちからは一様に、「(浦和に)1点取られても、僕らが2点を取らなければいけない状況は変わらなかった。だからプレッシャーは変わらなかった」といった趣旨の発言が聞かれた。とはいえ、ラスト10分、このまま逃げ切れば優勝できるという逆の立場になり、そのプレッシャーもまた尋常ではなかったに違いない。

 なによりレギュラーシーズンの終盤、鹿島はリーグ4連敗を喫している。浦和からすれば、穴がないわけでは決してなかったはずだ。
 
 さあ、どう崩すか。
 
 すると、2点目につながるPKを与えた槙野が冷静さを失った様子で、ベンチ前に出ているペトロヴィッチ監督の近くに来て、何か叫んで確認をとる。そして槙野が前線に繰り出すパワープレーに打って出たのだ。
 
 目が点になった。スタンドがざわついた感じもした。浦和はパワープレーを封印したはずだったからだ。

 この戦法は、強豪相手や大一番で上手くいった試しがない。唯一成功したのが、第1ステージの6月22日のFC東京戦だった。0-2から攻撃参加した槙野の2ゴールと李の決勝弾で、3-2の逆転勝利を収めている。
 
 しかし第2ステージの8月20日の川崎とのステージ&年間勝点の首位の座を争う大一番、槙野が再び終盤に攻撃参加するパワープレーを展開したものの、むしろ失点の危機にさらされる“負けパターン”に持ち込まれて敗れた(スコアは1-2)。
 
 浦和はボール保持率を高めて相手にできるだけボールを渡さないことで、自分たちのリズムでパスを回して崩すスタイルを貫いてきた。その武器を否定するようなパワープレー。相手の裏をかく意味があるはずだが、逆の効果――デメリットも大きい。むしろ全体のバランスが崩れるリスクの対処法が、いまだに定まっていない“捨て身の戦法”。言ってみれば、破れかぶれだ。
 
 実際に川崎戦後、柏木は次のように槙野の攻撃参加について言及していた。
 
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