――代わりにやってきたクラウディオ・ラニエリ監督はどうだい？
 
「とてもいい感じだよ。前線で動き回る、文字どおりの自由を与えてくれたのがいまのガッファーだ。高い位置からどんどんプレスを仕掛けて、速攻では前線で起点になって攻撃陣をけん引する。まさに俺が得意とするプレーだ」
 
――昨シーズンと大きく変わったところは？
 
「初めて会ったとき、監督は俺たちにこう言った『昨シーズン終盤の君たちのプレーを分析した、ひとまずはバランスの取れたチームを動かしたくない』ってね。新聞で「グレート・エスケープ（大脱走）」と呼ばれた、調子に乗ったチームを見てくれてたわけだ（笑）。
 
　ただ、悪いところを修正したりと、小さな変化はあったよ。そうやって微調整をしながら、昨シーズンの勢いを殺さずに上手く上昇気流に乗せてくれた。さすがは百戦錬磨の監督だし、戦術にとても明るい印象を受けている。
 
　本当によく対戦相手のビデオを見ていてね。試合が終わった直後の月曜日に、終わったばかりの試合を振り返って戦術練習をやったり。大きな変化がないとはいえ、戦術面では、監督がやることがすべて当たっているよ」
 
――では、イタリア人指揮官の英語力はどう？　メッセージは伝わっているのかな？
 
「君だって取材をしているんだから知ってるだろ。まったく問題ないよ。なにを言っているのかはよく分かるし、ピッチ上でなにをしてほしいのかも理解している。
 
　戦術の説明はけっこう細かいんだけど、ガッファーはちゃんと自分の言葉で、英語でやってくれる。で、こう発破をかけるんだ。『戦術をどんなに細かく教えたところで、試合当日のボスは君たち選手だ』と。大きな信頼を寄せてくれてるって感じるよ。
 
　これまでいろんな国、いろんなビッグクラブで結果を残してきた監督だから、俺自身も多くを学ばせてもらっているし、イタリア式っていうのかな、ラニエリが連れてきたコーチ陣との意見交換もすごく新鮮で刺激になってる」
 
――最後にこれからの意気込みを聞かせてくれるかい？
 
「いまはすべてが上手く回っていて、最高の結果につながっているから、これからもレベルの高いチームパフォーマンスを維持したいね。俺は、ひたすらゴールを決めつづけるよ」
 
【ジェイミー・ヴァーディーのPROFILE】
●生年月日／1987年１月11日
●身長・体重／178センチ・76キロ
●クラブキャリア
2007－08　ストックブリッジ（ENG８部）：成績不明
　08－09　ストックブリッジ（ENG８部）：成績不明
　09－10　ストックブリッジ（ENG７部）：成績不明
　10－11　ハリファックス（ENG７部）：37試合・27得点
　11－12　ハリファックス（ENG６部）：４試合・３得点／フリートウッド（ENG５部）：36試合・31得点
　12－13　レスター（ENG２部）：26試合・４得点
　13－14　レスター（ENG２部）：37試合・16得点
　14－15　レスター（ENG）：34試合・５得点
　15－16　レスター（ENG）：13試合・13得点
●イングランド代表歴／４試合・０得点
●イングランド代表デビュー／2015年６月７日（アイルランド戦）
※記録は2015年11月27日現在　
 
インタビュー：ジェームズ・シャープ（レスター・マーキュリー紙）
翻訳：松澤浩三
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2015年12月３日号より加筆・修正