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【湘南担当記者コラム】木端微塵に希望を砕かれた“あの時”から、追い求めてきたオリジナルの一体感

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2015年11月03日

独自のスタイルを貫いて、地域のサポートを得る。新たな地域密着モデルを示す。

曺監督の指示を受ける大槻と藤田祥。指揮官の来季去就は、なによりも気になるところ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 もちろん来季、3人とも残留する可能性は十分にある。それでもシーズンオフには、必ずや誰かが去り、また新たな戦力を迎えることになる。
 
 この体制で、このメンバーで、BMWスタジアムの舞台で戦うのは、今回が最後だった。それはまた、新たな挑戦のスタートでもある。
 
 今夏、湘南の大倉智社長と湘南電力の渡部健社長(胸スポンサーのエナリス社取締役)が対談した際、大倉社長は次のように語っていた。
 
「市民クラブのベルマーレは公共財と言える。そこを中心に新たな企業が地域に加わったり、街作りが加速していったりすれば、ベルマーレの存在価値は高まるでしょう。そこは楽しみな要素でもある」

「そのためには、この1、2年ももちろん大切だが、さらに先の5年後、10年後にもっと大きな世界があるかもしれないと、見据えて行動する必要がある」
 
 2015年、ようやく湘南がJ1で存在価値を示せた。サッカーのスタイルも独自性を追求し、“湘南ならでは”の地域との連携も築き上げてきた。地域密着クラブのこれまでにないモデルケースをも明示できたと言える。
 
 とはいえ、現状に満足すれば、たちまち後退しかねない。
 
 32試合終了時点で、年間8位につけている。ただ、7位の鹿島とは8差も開いている。得失点差もマイナス1(38得点・39失点)。“J1でやれる”という手応えは得られたが、好不調の差が激しく、トップグループとの差を見せ付けられたのも事実だ。それだけに残り2試合、新潟、広島戦は結果とともに内容も問われる。
 
 結局、どのタイトル争いにも絡めなかったという現実も直視しなければいけない。ふた桁ゴールを決めた選手がいないこと、A・バイア以外の助っ人がことごとく“不発”に終わった点も反省材料に挙げられる。
 
 湘南はJリーグを面白くする貴重な存在――。2015年シーズン、そう印象付けたのは間違いない。一方、来季に向けて、そういった一つひとつのよりディテールにこだわった修正や強化を図りたい。走力とアグレッシブさを変わらず前面に押し出し、かつ攻撃の迫力や力強さが増せば、より洗練された「湘南スタイル」を繰り広げられるはずだ。
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