【FC東京注目選手】
DF森重真人
まず、どこで使われるかがポイント。CBなのかボランチ、アンカーなのか。これによって彼のタスクが変わるし、川崎は中央でゲームを作れるチームなので、そこに対して蓋をする、自由にやらせない、守備で相手が嫌がることをできるかどうかが重要です。
さらに、攻撃になったときには前線の3人を走らせるのか、それともそこを封じられてサイドバックが縦に仕掛けるのかなど、彼が攻守においてのスイッチになる。もしダブルボランチになったときでも同じ。パートナーとともに周囲を動かし、またパートナーをどう動かしていくのか。彼のプレーは注目すべき点だと思います。
【川崎注目選手】
MFジョアン・シミッチ
この4-3-3システムでは、彼の両脇が使われやすいのですが、運動量があるので守備でも献身的にボールサイドに寄ってカバーができる。ただこの2試合で、各13キロ近く走っている疲労感が気になります。彼の守備におけるポジショニングや、振る舞い、疲労感に注目してみると面白いのではないかなと思います。
また今季加入のJ・シミッチ選手は、最初は若干不安がありましたが、試合を重ねるごとに田中碧選手、脇坂泰斗選手など、インサイドハーフの選手との連係がうまくできてきています。
実は川崎の対戦相手が二桁以上のシュートを放ったのは、開幕節の横浜F・マリノスだけ。それは、自分たちがボールを保持して守備をする時間が少ないという単純な理由もありますが、それ以上にこの中盤の3人を含めて、相手に自由にやらせていない証拠だと思います。それが失点数の少なさや自分たちがボールを握れていることにも表われているのではないかと思います。
両チームの注目選手は?

Jリーグ優勝クラブで活動してたアナリストの第一任者杉崎健氏。Twitter(https://twitter.com/suzakken)やオンラインサロン(https://community.camp-fire.jp/projects/view/356767)などでも活動中。
【著者プロフィール】
杉崎健(すぎざき・けん)/1983年6月9日、東京都生まれ。Jリーグの各クラブで分析を担当。2017年から2020年までは、横浜F・マリノスで、アンジェ・ポステコグルー監督の右腕として、チームや対戦相手を分析するアナリストを務め、2019年にクラブの15年ぶりとなるJ1リーグ制覇にも大きく貢献。現在は「日本代表のW杯優勝をサポートする」という目標を定め、プロのサッカーアナリストとして活躍している。Twitterやオンラインサロンなどでも活動中。
◇主な来歴
ヴィッセル神戸:分析担当(2014~15年)
ベガルタ仙台:分析担当(2016年)
横浜F・マリノス:アナリスト(2017年~20年)
◇主な実績
2017年:天皇杯・準優勝
2018年:ルヴァンカップ・準優勝
2019年:J1リーグ優勝