「正直、年を越した段階で『俺、やっぱりジュビロに行くのは無理なのかな』と思っていたのですが、まさかの突然のオファーに驚きました。もう嬉しくて仕方がなかったので『よろしくお願いします』と即答しました」
遠回りをしたが、彼は『帰るべき場所』に辿り着いた。もちろんこれで満足をしていたら、ユースの時の自分と変わらない。
「決まって終わりじゃないし、ここからが大事。大卒なので即戦力ではないといけないという自覚を持たないといけないし、サックスブルーのユニホームに恥じない選手であり、人間でないといけないと思います。来年からではなく、今から高い意識を持って取り組んでいきたいです」
最後に改めて「もし、あの時トップに上がっていたら、自分はどうなっていたと思いますか?」と聞くと、こう答えた。
「サッカー以前の問題で人から吸収しようとしないし、間違った自己主張をしていたかもしれない。人間的に未熟なままプロになったことで天狗になってしまっていたかもしれないし、プロになったことで満足してしまっていたかもしれない。本当に法政大に来て良かったと心から思います。だからこそ、あと少しで法政大のみんなとサッカーができなくなると考えると、少し悲しい気持ちになる一方で、ジュビロでは法政大で成長してきた姿をサックスブルー一色のヤマハスタジアムで早く見せたいです」
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)