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【ブンデスリーガ開幕特集】『キッカー誌』記者が本音トーク 「日本人よ、インパクトを残せ!」

カテゴリ:ワールド

安藤正純

2014年08月22日

挑戦の先には夢だけでなく、厳しい現実も待っている。

非凡な素質は認めつつ、「1部で通用するかは分からない」とハーディ記者が懐疑を口にすれば、マルティン記者は「存在が感じられない。目立っていない」と手厳しい一言。Jリーグを経験せずドイツに渡った長澤は、どんなプレーを見せるのか。 (C) Getty Images

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――ケルンには大学卒業後、そのままブンデスリーガに乗り込んできた長澤和輝がいる。Jリーグを経験せずにヨーロッパでA契約を勝ち取った、新たなパターンだ。
 
ハーディ 若くて意外性のある選手だと思う。技術がしっかりしていて、試合を読む力もあり、視野も広い。ただ、1部リーグで通用するかどうかは分からない。しかも膝を怪我して出遅れてしまったわけだし。
 
マルティン 長澤はもっと自分のカラーを出していいと思う。俺は以前、本人に「君(の存在)をほとんど感じられない。目立っていないんだ」と、正直に伝えたことがある。
 
ハーディ フィジカル的にも、メンタル的にも未知数。彼にはまず自分の力を出し切ることで、次のステップへ踏み出してもらいたい。
 
――浦和からヘルタに移籍した原口については?
 
マルティン 移籍が決まった時のプレスリリースによると、前線のいろいろなポジションをこなせるという触れ込みだ。右、左、トップ下、CFのどこでも大丈夫。なんだか賑やかだね(笑)。面白いオプションになりそうだ。
 
ハーディ 俺は現段階では、原口の実力を少々疑っているんだ。だって浦和時代、ずっと「ビッグタレント」と言われながら、Jリーグでそこまで目立った記録を残せていない。代表にもコンスタントに呼ばれず、結局ワールドカップのメンバーからも外れた。原口にとって、ベルリンへの移籍はキャリアの分岐点になる。ここでひと花咲かせて、俺をぎゃふんと言わせる活躍をしてくれたら、それはある意味とても幸せなことだよ。
 
マルティン ドイツでも浦和レッズは有名だから、香川が来た時とは違ってファンの注目度も高い。なによりベルリンにはレッズ出身の細貝がいるから、なにかと原口を助けてくれるだろう。細貝は努力を重ね、結果を残してきた。俺は彼がワールドカップのメンバーから漏れたことに、今でも納得していないけどね。ただ、挑戦の先には夢だけでなく、厳しい現実も待っている。そんな喜怒哀楽の詰まった世界を生き抜いて、監督の絶対的な信頼を得た細貝の姿を見れば、原口も学ぶ点は多いはず。それは長谷部と乾の関係にも言えることだ。ただ、清武と酒井はどうかな。ふたりで意識を高め合い、浮上のキッカケを掴まないといけない。
 

両記者に言わせれば、岡崎にも「インパクト」が足りないようだ。バイエルン戦でのゴールやタイトルの獲得が、定評を確立するために不可欠だと言う。 (C) Getty Images

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ハーディ その意味では、内田の生存能力は驚くほど高い。鬼軍曹のマガトにこき使われ続けても不平を漏らさず仕事し、その後監督が何度代わってもレギュラーで起用され、フロントの受けもよく、ヨーロッパ屈指の熱狂的なファンにも愛されてきた。日本人の鑑だよ。
 
マルティン マガトに干された長谷部もよく耐えたしね。彼も日本人の誇りだ。
 
――「15ゴール」も忘れてもらっては困る(笑)。
 
ハーディ そうだな(笑)。でも岡崎がもっと価値を高めるには、やはりバイエルン相手にゴールを奪い、タイトルをもたらすこと。すなわち、インパクトだ。まあ、タイトルはマインツでは高望みかもしれないけど。
 
マルティン やはりサポーターは、アタッカーに香川のようなインパクトを必然的に期待してしまう。新鮮な驚き、夢を見ているような衝撃をね。その点で言えば、原口にはいくらドリブルで相手をかわしても、結果が伴わなければ評価されないという鉄則を忘れないでほしいね。
 
【司会・翻訳:安藤正純】
 
ハーディ・ハッセルブルッフ
『キッカー』誌のベテラン記者で、2部リーグでプロとしてプレーした経験もある。日韓ワールドカップ以降、日本人選手に注目して取材。フランス滞在歴が長く、アフリカ事情にも詳しい。元浦和監督のフォルカー・フィンケ氏と親交がある。
 
マルティン・グリューナー
2002年から『キッカー』誌の編集記者(アシスタント時代を含めれば1998年から)を務め、セルビアやモンテネグロを専門に国際サッカー全般に精通する。ブンデスリーガでは、ホッフェンハイムなどを担当してきた。日本人選手を積極的に取材する。
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